[本文]

国・地域名:
フランス
元記事の言語:
フランス語
公開機関:
高等教育・研究・イノベーション省(MESRI)
元記事公開日:
2022/02/14
抄訳記事公開日:
2022/04/25

新興感染症と放射線・生物化学兵器対策の公募プロジェクトを採択

France 2030 : la recherche et l’innovation au cœur des enjeux pour prévenir et lutter contre les maladies infectieuses émergentes et les menaces nucléaire, radiologique, biologique et chimique

本文:

2022年2月14日付、高等教育・研究・イノベーション省(MESRI)の標記発表の概要は以下のとおり。

フランス高等教育・研究・イノベーション省(MESRI)などは、新興感染症や放射線・生物化学兵器対策戦略の1回目の「関心表明」公募に、15のプロジェクトと25の産学パートナーを採択したと発表した。9,200万ユーロある予算のうち、これらのプロジェクトには5,100万ユーロを助成する。

2021年6月にマクロン大統領が発表し、同年10月の「France 2030」の発表中に繰り返し言及された「イノベーション医療2030」計画の目標の一つに、今後のパンデミックに備え、地域でそれに対応する手段を用意することがある。総額で75億ユーロが予定されており、フランスは医療において革新的で影響力をもつ欧州トップの国になる。

大統領は特に、危機の際に実施された取り組みに沿って、新興感染症の課題向けに予定される7億5,200万ユーロの投資を強調した。新興感染症のほか、核・放射線・生物学的・化学的脅威(NRBC脅威)に対する防止・対応策を加速する戦略が、こうした目標の一部を成す。

また新興感染症の研究コミュニティを一体的に組織化し、人間の健康、動物、環境といった研究の垣根を取り払うには、次の二つの優先研究プログラム(PEPR)が互いに補完し合うことが求められる。

▽3,000万ユーロを充てて、農業開発研究国際協力センター(CIRAD)、国立農業・食料・環境研究所(INRAE)、開発研究所(IRD)が試験的に運用する、PEPR PREZODEは、人獣共通感染症の発生とパンデミックのリスク防止を目的として、国際 PREZODE イニシアチブの上流研究部分を構成する。その優先目標は、人獣共通感染症の発生を防止するための革新的な戦略の実施に必要な研究の展開とツールの開発であり、人獣共通感染症の数を減らし、そのような事象をできるだけ早期に検出することである。PEPRには、緊急事態防止のためのグローバルな調整策と、公共の意思決定者向けの定量的評価を可能にする先見的分析が含まれる。

▽8,000万ユーロを充てて、国立保健医学研究所(INSERM)が主導する、新興感染症の優先研究プログラム(PEPR MIE)は、個人および集団レベルで新興感染症を効果的に予防し管理することを目的とする。つまり、病原性微生物による感染のメカニズムと、動物から人間へ、そしてある個人から別の個人への感染のメカニズムに関する知識の習得を加速することであるが、MIEの診断、予防、治療のツールを開発し、公共政策と社会が将来のエピデミック危機に対応可能にする人文・社会科学研究を支援することでもある。

これらのプログラムは、新たな知見を広げる中心として国際的なコミュニティーとも直接繋がっており、政府のNRBC対策として、戦略的かつ長期的なものとして位置付けられる。技術移転を引き起こす可能性のある研究プロジェクトの成果活用を加速するべく、施設や機関の成果利用組織によって、進展に可能な限り近い早期の支援が保証される。

[DW編集局+JSTパリ事務所]