[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
国防高等研究計画局(DARPA)
元記事公開日:
2022/02/22
抄訳記事公開日:
2022/05/02

DARPAが有用な誤り耐性量子コンピュータの検証プロジェクトを公募

Are Fault-Tolerant Quantum Computers on the Horizon?

本文:

2022年2月22日付、国防高等研究計画局(DARPA)の標記報道発表の概要は以下のとおり。

量子コンピュータは、人工知能(AI)、サプライチェーンの最適化、医薬品の発見、暗号化など、軍事・民間のさまざまなアプリケーションにおいて、いつの日か情報処理に革命をもたらすという仮説がある。一般的な予測では、重要な問題を解決できる完全な誤り耐性量子コンピュータが利用可能になるのは、数十年後である。量子コンピュータの研究開発の取り組みが世界的に進む中、DARPAは、有用な誤り耐性量子コンピュータをもっと早く構築できるとする量子研究の主張を厳密に評価したいと考えている。

国防高等研究計画局(DARPA)は、「実用規模の量子コンピューティングのための未踏のシステム(Underexplored Systems for Utility-Scale Quantum Computing、略称US2QC)」プログラムを発表した。US2QCの目的は、量子コンピューティングに対する未踏のアプローチが、従来の予測よりもはるかに早く、実用規模の量子コンピュータの運用を実現できるのかを判断することである。

既存のDARPAプログラムである、「Quantum Benchmarking」プログラムでは、量子コンピュータが、重要課題に対して、従来のコンピュータよりも意義のある成果をもたらす可能性のある潜在的なアプリケーションを徹底して評価するために、ソフトウエア側の定量的なベンチマークを開発している。これに対し、US2QCプログラムは、提案された誤り耐性量子コンピュータの、システム、コンポーネント、サブシステムの設計の検証・確認に焦点を当てた、補完的なハードウエアの取り組みである。

量子コンピュータを構築するための革新的なアプローチは非常に多様であるため、US2QC は最大限の柔軟性を持つように構成されており、提案の資金調達には調整可能な「その他の取引(Other Transaction)」契約だけが使用される。すべての提案に共通する唯一の項目はフェーズ0であり、このフェーズ0では、すべてのコンポーネントとサブシステム、さまざまな指標に照らした性能予測、予想される技術リスクとそれらの緩和策を含む、完全な実用規模のコンセプトを定量的に記述することが求められている。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]