[本文]

国・地域名:
EU
元記事の言語:
英語
公開機関:
欧州委員会(EC)
元記事公開日:
2022/03/30
抄訳記事公開日:
2022/05/11

Destination Earth:地球の新たなデジタルツインが、気候変動への対処と自然保護に役立つ

Destination Earth – new digital twin of the Earth will help tackle climate change and protect nature

本文:

(2022年3月30日付、欧州委員会(EC)の標記発表の概要は以下のとおり)

欧州委員会(EC)はこのほど、パートナー組織と協力して気候変動への取り組みを支援するべく、Destination Earthイニシアチブを開始した。2024年半ばまでにデジタルヨーロッパプログラムから当初1億5,000万ユーロの支援を受けて、非常に正確な地球のデジタルモデルの開発を目標とする。自然と人間の活動を監視、モデル化、予測し、より持続可能な開発に向けたシナリオを開発およびテストするのに役立つ。高品質の情報、デジタルサービス、モデル、シナリオ、予測、可視化が、まずは公共セクターのユーザーに提供され、次に科学コミュニティ、民間セクター、一般の人々に徐々に提供される。

EC、欧州宇宙機関(ESA)、欧州中期天気予報センター(ECMWF)、欧州気象衛星開発機構(EUMETSAT)は、(デジタルツインと呼ばれる、地球システムと自然現象のデジタルレプリカをホストする)コアプラットフォームを設定することにより、Destination Earth システムを段階的に開発する。

2024年末までに、DestinE システムは次のもので構成される。

■ESAが運営するコアサービス・プラットフォーム。オープンで柔軟性があり、安全なクラウドベースのコンピューティング・システムに基づいた意思決定ツール、アプリケーション、サービスを提供する。
■EUMETSATが運営するデータレイク。ストレージ・スペースとデータセットへのシームレスなアクセスを提供する。データレイクは、コペルニクス・データおよび情報アクセスサービス(DIAS)などの既存の科学データセットに基づいて構築され、センサーベースの環境データや社会経済データなどの他の非宇宙データ源によって補完される。
■ECMWFが開発するデジタルツイン。リアルタイムの観測とシミュレーションからのデータを組み合わせる。
▽気象に起因する地球物理学的ハザードに関するデジタルツインは、洪水、干ばつ、熱波、地震、火山噴火、津波などの地球物理学的現象に焦点を当てる。たとえば、洪水が発生した場合、このデジタルツインは、地方自治体や地域当局がより正確に行動をテストするのに役立ち、人命を救い、物的損害を減らすのに役立つ。
▽気候変動への適応に関するデジタルツインは、気候変動の活動と緩和シナリオを支援するべく、観測およびシミュレーション機能を提供する。カーボンニュートラルを達成するために、持続可能な農業、エネルギー安全保障、生物多様性の保護など、さまざまな領域から情報を入手できるようになる。

[DW編集局]