[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
国防高等研究計画局(DARPA)
元記事公開日:
2022/03/03
抄訳記事公開日:
2022/05/12

DARPAが人間の専門家と協調した意志決定アルゴリズムの開発を開始

Developing Algorithms that Make Decisions Aligned with Human Experts

本文:

(2022年3月3日付、国防高等研究計画局(DARPA)による標記記事の概要は以下のとおり)

軍事作戦においては、単一解が存在しない動的状況下で、複雑かつ迅速な意思決定が必要とされる。AIシステムが人間との共同作業をより高度に行うためには、AIが適切な判断を下せるという、人間の適切な信頼を形成することが不可欠である。

このため、DARPAは、合意された正しい答えが存在しない困難な領域において、アルゴリズムと、信頼できる人間の意思決定者との整合性を定量化することを目的とした「ITM(In the Moment)」プログラムを開始する。ITMは、国防総省(DOD)の重要ミッション運用のために、信頼できるアルゴリズムの意思決定を評価・構築することを目指す。

ITMは、医療画像解析からヒントを得ており、同解析では、熟練した専門家が正解データについて意見が一致しない場合でも、システムを評価するための技術が開発されている。例えば、臓器や病変の境界が不明確であったり、放射線科医の間で意見が分かれたりする場合、アルゴリズムによって描かれた境界を、人間の専門家が描いた境界の分布と比較することにより、真の境界の欠落を克服している。ITMは、医用画像に関する知見を基に、非常に困難な領域におけるアルゴリズムによる意思決定を評価するための定量的枠組みの開発を目指す。

ITMは3年半のプログラムで、2フェーズからなり、3フェーズへの延長の可能性もある。次の4つの技術領域を対象としている。

1 困難な領域における意思決定者の主要な属性を特定・定量化する意思決定者特性評価技術の開発
2 エンドユーザーの信頼を予測する方法による、人間の意思決定者とアルゴリズム間の定量的調整スコアの作成
3 プログラム評価の設計と実行
4 政策と実践の統合

[DW編集局+JSTワシントン事務所]