[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
全米科学・工学・医学アカデミー(NASEM)
元記事公開日:
2022/03/02
抄訳記事公開日:
2022/05/12

NASとNAMの両会長が大統領生命倫理諮問委員会の再始動を提言

NAS and NAM Presidents, Other Experts Urge Biden Administration to Reinstate Presidential Bioethics Commission

本文:

(2022年3月2日付、全米科学・工学・医学アカデミー(NASEM) による標記記事の概要は次のとおり)

バイデン政権は生命倫理に影響を及ぼす政策決定を形成し、導くために、大統領生命倫理諮問委員会を復活させるべきである、と全米科学アカデミー(NAS)のマルシア・マクナット会長と全米医学アカデミー(NAM)のビクター・ザウ会長は、大統領府科学技術政策局(OSTP)のアロンドラ・ネルソン局長代理に宛てた書簡の中で述べている。この書簡は、過去3代の政権における生命倫理問題研究の委員会メンバーを含む、医学、生命倫理、法律の専門家からなる作業部会により独自に作成されたもので、このような委員会の必要性を強調する別の報告書とともに提出された。

ザウ氏によると、米国の生命倫理委員会は、過去50年間、民主党と共和党の両政権のもとで、何百万人もの市民に影響を与える政府の政策立案を支援してきた。しかし、生命倫理に関する大統領委員会は2017年以降任命されていない。その結果、生命倫理に重大な影響を与える多くの出来事や進展があるにも関わらず、政府の重要な決定は、米国の政策立案を検討し、レビューし、情報提供を支援する委員会がないままに、行われている。

報告書は、大統領の生命倫理諮問委員会が分析し、助言し、パブリックコンセンサス構築をすることができたであろう既存および新規の問題を取り上げている。例えば、パンデミック関連の公衆衛生に関する決定、ヘルスケア研究や臨床ケアにおける偏りの可能性のある人工知能(AI)や適応アルゴリズムの使用、気候変動による生命倫理問題などである。

報告書は、生命倫理諮問委員会は政策論争の根底にある価値観の対立に対処し、パブリックコンセンサスを促進し、広く倫理問題を考慮する権限がない規制・政策立案機関による決定を形成することができるとしている。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]