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- 国・地域名:
- ドイツ
- 元記事の言語:
- ドイツ語
- 公開機関:
- ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
- 元記事公開日:
- 2022/03/30
- 抄訳記事公開日:
- 2022/05/13
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BMBFがロシアとベラルーシとの研究協力を凍結
- 本文:
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(2022年3月30日付、ドイツ連邦教育研究省(BMBF)による標記報道発表の概要は以下のとおり)
2022年2月末に始まった国際法上違法であるロシアのウクライナ侵略戦争を受けて、BMBFはロシアとの協力政策を抜本的に変更すると発表した。ロシア政府機関とのBMBFの現在進行中および計画中のすべての措置について、凍結および/または厳しく見直すこととする。
■「これは我々全員に対する攻撃である」
シュタルク・ヴァッツィンガーBMBF大臣は、「ヨーロッパの主権国家、民主的な国家に対する国際法に違反した侵略戦争は我々全員に対する攻撃である」と述べて、断固たる対応を正当化した。■BMBF内にタスク・フォースを設置:
BMBFでは、ロシアとの協力方針の転換を図るために、タスク・フォースが設置された。タスク・フォースでは、異なる法的基盤に基づく多種多様な協力形態を分類し、個々の措置について担当部門でチェックし評価する。■科学の扉を開いたままとする:
同時に、政治的な脅威に晒されているロシアの科学者に対する門戸を開いておく。BMBFはロシアの科学、研究における市民社会組織との対話は可能な限り維持したいと考えている。■ロシアおよびベラルーシとの協力については、以下の指針と目的に従った形で行なう:
1) 法的枠組みに従い、ロシアおよびベラルーシが参加する研究プロジェクトやプログラムは停止し、技術やノウハウの移転が生じている、もしくは生じる可能性がある研究協力も停止する。
2) BMBFはロシアおよびベラルーシの政府代表やこれらの国家が資金提供している機関との新たなイニシアチブやプロジェクトに新規着手しない。
3) ロシアおよびベラルーシの国家機関は、BMBFからいかなる人的、もしくは財政的支援も受けない。
4) ロシア/ベラルーシが国家として参加する相互の討論形式、イベント、会議、サマースクールは停止する。
5) BMBFの職業教育訓練におけるロシアとの長年にわたる協力は、すでに停止され、職業教育訓練におけるロシアへの移動資金の支援も停止されている。
6) 2018年からの包括的な2か国間協力「教育、科学、研究、イノベーションにおける協力のための独露ロードマップ」は停止する。
7) ドイツの大学、研究機関、仲介機関は、ロシアおよびベラルーシのパートナーとの協力協定や機関間の強力を、法的に可能な限り、停止するように求められている。
8) ロシアおよびベラルーシの科学者や学生は、資金は個人負担することで、ドイツに滞在できることとする。
9) ドイツで働くロシアおよびベラルーシの科学者や学生が、差別され、汚名を着せられ、孤立することがあってはならない。
10) BMBFは反陽子・イオン研究施設(FAIR)や欧州X線自由電子レーザー施設(EuropeanXFEL)などの大規模施設についても、国際法上の義務を継続して履行する。ロシアの侵攻ということから考えると、契約のさらなる延長は、国際的なパートナーと調整し、法的な枠組みも考慮される。
さらにBMBFは、自身が資金提供するプロジェクトにおいて、ウクライナとの研究協力を維持するために、出来る限りのことをする。 [DW編集局]