[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
マックスプランク協会(MPG)
元記事公開日:
2022/03/03
抄訳記事公開日:
2022/05/16

150人のノーベル賞受賞者がロシアによるウクライナ侵攻に関して、平和を呼びかけ

Aufruf zum Frieden

本文:

(2022年3月3日付、マックスプランク協会(MPG)による標記報道発表の概要は以下のとおり)

幅広い分野の150人のノーベル賞受賞者が、ロシアから始まったウクライナでの戦争に対して平和を呼びかけている。彼らは、マックスプランク協会(MPG)によって提唱され、リンダウ・ノーベル賞受賞者会議により支持された宣言に署名した。
150人のノーベル賞受賞者は、政府やビジネス・リーダーたちに対して、科学的知見や技術を、責任を持ち長期的な影響を十分に考えて活用するよう求めている。ロシアのプーチン大統領には、国際協定を尊重し、軍隊を呼び戻し、交渉を開始し、平和を確立するよう求めた。
リンダウ・ノーベル賞受賞者会議とMPGは、たとえ政治家が沈黙したり、あるいは戦争を遂行したとしても、科学は対話を続けなければならないと確信している。このイニシアチブには、数えきれないほどの他の人々と共に、一日も早く平和的な国家間の交流を取り戻してほしいという期待が託されているのである。

宣言 2022
ノーベル賞受賞者による国際科学界の平和への訴え:
ロシアから発せられる戦争と核兵器の露骨な脅威を前にして、自然科学、文学、平和、経済学のノーベル賞受賞者は、政府の指導者たちにこのように訴えることにした。
科学者として我々には政治的使命はないが、我々が得た知見が政府や政治関係者に与える力について認識している。
科学者として、あらゆる分野の科学的知見とそれに基づく技術が、将来人類に最大の利益をもたらすと確信している。これは世界的な科学的協力によってのみ達成することができ、これなくして地球規模の課題は解決されない。これらを達成するための前提条件は、これらの知見が、世界人権宣言の趣旨に従って、平和目的と、すべての人々の利益と幸福のためにのみ使用されることである。
従って、政府やビジネス・リーダーたちに対し、科学的知見と技術を、責任を持ち長期的な影響を十分に考えて活用することを求める。このすることでのみ、人類の文明は、自然や地球システムに敬意を払いながら、将来に向けて発展することができる。人類の平和共存のための国際連合憲章の基本原則こそが、地球と人類の利益のための国境を越えた活動の前提条件である。
ロシアのプーチン大統領に対して、国際協定を尊重し、軍隊を呼び戻し、交渉を開始し、和平を確立するよう求めるものである。
ミュンヘン 2022年2月28日

[DW編集局]