（2022年3月16日付、国立科学財団（NSF）による標記記事の概要は次のとおり）

米国立科学財団（NSF）は、技術・イノベーション・パートナーシップ局（TIP）の新設を発表した。新局創設は30年ぶりで、米国のイノベーションの案内役となり、科学工学の全ての分野で研究と教育のフロンティアを前進させるという、70年以上に渡るNSFの取り組みに基づいている。

TIPは発見とイノベーションを加速し、新しい技術を迅速に市場に投入し、現代の喫緊の社会的経済的課題に対処する。TIPはテクノロジーブレークスルー、将来の雇用成長、国家の競争力を迅速に高めるゲームチェンジャーとなる。この可能性実現のため、超党派イノベーション法がまもなく成立した暁には、TIPは、米国の研究を変革して、未来の技術における米国の経済的リーダーシップを拡大するための、革新的改革を達成することができる。

NSFはTIP を通じて一連の統合イニシアチブを開始する。これらのイニシアチブは、重要な新技術を推進するもので、研究成果の研究室から市場や社会への移行を加速させ、研究者、実務家、技術者、企業家からなる多様で熟練した将来の技術労働力に繋がる新しい教育方法を育成する。これによりイノベーションの地理的範囲を拡大しさせ、科学技術活動に参画していない人々（Missing Millions）問題の解決を支援する。

将来的にTIPは全米に地域の「イノベーションエンジン」を構築し、商業化目的の研究、企業家精神、労働力の開発を推進し、地域および全米のビジネスと経済成長の変革を先導する。

TIPは様々な分野とセクターにまたがる戦略的パートナーシップを活用し、信頼のおける人工知能システムからバイオテクノロジー、サイバーセキュリティ、次世代ワイヤレスネットワーク、マイクロエレクトロニクスと半導体、および量子コンピューティングプラットフォームに至るまで、新興産業のフロンティアを前進させる。

また、TIPは科学技術の機会をすべての米国民に拡大し、全米のコミュニティと連携し、科学技術分野で高賃金・高品質の仕事を希望するすべての人に開かれた新しい教育への道を確立する。

NSFの既存のイノベーション関連のプログラムはTIPの下に配置される。初代TIP局長にはアーウィン・ジアンチャンダニ（Erwin Gianchandani）氏が就任する予定である。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]