[本文]
-
- 国・地域名:
- フランス
- 元記事の言語:
- フランス語
- 公開機関:
- 首相官邸
- 元記事公開日:
- 2022/03/17
- 抄訳記事公開日:
- 2022/05/19
-
政府、「経済・社会の回復」計画を発表 物資、エネルギー、食糧供給の自立目指す <3>=完=
- 本文:
-
(第2回からつづく)
【第3回】欧州の食糧自給強化
農業の分野では、ウクライナがEUへの主要な供給国になっている。特にトウモロコシ(供給の57%)、ヒマワリ油粕(輸入の47%)、程度は下がるものの小麦(輸入の30%)がその例である。ロシアも、小麦(11%)、特に菜種油かす(50%)、ひまわり油かす(34%)のEUへの重要な供給国である。これらの代替の供給源、特にフランス国内や欧州域内での生産するためにより努力する必要がある。短期にかつ可逆的方法で、次なる農作業でより多くを生産するための対策が実施される。
▽欧州レベルで議論された休耕地の有効活用
▽特に飼料および植物性タンパク質の生産を増加させるため、2年サイクルでの三毛作システムの促進
▽戦略的作物が動物に食い荒らされる被害の対策計画
▽水資源を最適化し、気候禍の危機に対処するべく灌漑の遂行この長期的な変革を加速するために、5か年計画「フランス2030」の「2030年農産食品部門の能力と回復力」プロジェクト公募が、戦略的と見なされる農産物(肥料、動物飼料用の加工製品)の振替と、農業機械と持続可能な食品の加速戦略によって支援される革新的なプロジェクトの産業化という2つの目的で開始される。この産業化に対する支援は、特に、持続可能で健康に好ましい食品市場において競争力のあるフランス農産食品セクターの組織化促進を目的とする。
構造的には、フランスはすでに農業と農産食品の主権を投資の観点から優先事項にしている。コロナ禍に伴う経済対策「フランス・ルランス」(復興計画)は、タンパク源計画の1億2,000万ユーロにより、植物性タンパク源供給の自立を取り戻す役割を果たしている。「2030」は植物タンパク質、有機肥料、農業および農産食品セクターの脱炭素化の観点から、自立性を強化するための研究や開発、イノベーション・プロジェクトを支援している。
今回の「回復計画」では次の4つの軸や方針を中心に据え、農業や農産食品の自立性に資するための変革を長期的に加速させる。
▽緑肥を生産したり有機肥料を利用する部門を増やしたりするなど、窒素供給の自立計画の実施
▽植物性タンパク質計画の強化
▽再生可能エネルギー(特に太陽光発電とバイオマス)の開発と上流側の農業・食品産業の脱炭素化を加速するための農業・食品のエネルギー自立計画。
▽フランスと欧州の「果物と野菜」の自立計画。フランスの海外領土とも密接に関連する。(おわり)
[DW編集局]