[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
国家科学技術会議(NSTC)
元記事公開日:
2022/03/24
抄訳記事公開日:
2022/05/23

NSTCが量子センサー実現のための戦略的計画を発表

SCQIS Releases Strategic Plan for Bringing Quantum Sensors to Fruition

本文:

(2022年3月24日付、国家科学技術会議(NSTC)量子情報科学小委員会(SCQIS)の標記報道発表の概要は以下のとおり)

国家科学技術会議(NSTC)量子情報科学小委員会(SCQIS)は、”Bringing Quantum Sensors to Fruition “と題する量子センサーを実現するための戦略計画を発表した。
量子センシング技術は、例えば、原子時計を利用した全地球測位システム(GPS)や核スピン制御を利用した医用画像の磁気共鳴画像診断装置(MRI)などで、すでに社会に多大な便益をもたらしている。
また、新しい量子センサーも、近い将来、実用化される可能性があり、同様の変革的な影響をもたらす。しかしながら、基礎研究から商業製品までの長期の技術開発には、集中的・実質的・持続的な取り組みが必要である。
量子センシング技術は応用範囲が広く、エンドユーザーの要求も様々であるため、技術を成熟させるためには、政府機関の優先順位を調整し、民間利害関係者を結集させるための長期戦略が必要である。

これらの課題に対処するため、同報告書では以下の4つの政策提言を行った。

▽量子情報科学技術(QIST)の研究開発を先導する機関は、新しい量子センシングのアプローチの開発を加速し、エンドユーザーとの適切な協力を優先させて、新しい量子センサーの技術的準備を強化する必要がある。

▽センサーを使用する機関は、QISTの研究開発リーダーたちと共同で、実現可能性調査を実施し、量子プロトタイプ技術を共同試験して、有望な技術を特定し、機関のミッションに対応する量子センサーに集中するべきである。

▽工学研究開発を支援する機関は、量子技術の開発を促進し規模の経済を促進させるために、コンパクトで信頼性の高いレーザーや統合光学系のような広く適用可能なコンポーネントやサブシステムを開発する必要がある。

▽機関は、量子センサー技術の開発と早期採用を促進するため、技術移転と買収の実務を簡素化すべきである。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]