[本文]

国・地域名:
フランス
元記事の言語:
フランス語
公開機関:
首相官邸
元記事公開日:
2022/04/20
抄訳記事公開日:
2022/05/27

「2030年農産食品のレジリエンスと能力」プロジェクト公募開始

France 2030 | Ouverture de l'appel à projets « Résilience et capacités agroalimentaires 2030 »

本文:

(2022年4月20日付、首相官邸の標記発表の概要は以下のとおり)

フランス農業・食料省と首相府投資総務庁は、「2030年農産食品のレジリエンスと能力」プロジェクトの新規公募を始めると発表した。このプロジェクトは、昨秋に発表された5か年計画「フランス2030」の一環で、ウクライナ戦争による影響も踏まえ、国内の農業や農産食品部門の変革を図り、消費者のニーズにより応えられるようにすることを目的とする。

政府は3億ユーロの資金を充て、たとえば、次のような内容に投資する。

・インフラ、土地、不動産、無形固定資産(特許、ライセンスなど)への支出
・機器や機械の購入
・工業化費用
・生産工具のエネルギー・環境改善のための支出
・関連するコンサルティングまたは専門的トレーニング費用

またこのプロジェクトは次の4つのテーマで構成される。

1)ビジネスの戦略的なつながりの見直し
製造業のプロジェクトを支援し、欧州域外への依存度を減らす。例としては、動物飼料用の植物性タンパク質が豊富な原材料、および農業や食品産業用の原料や添加物に関連する産業プロジェクトなどがある。

2)将来的な食料需要を満たす産業構築
イノベーションを製造業の現場で展開させることで、将来的な食料需要を満たす。とりわけ持続可能で安全な食品を念頭に置き、疾病予防のための栄養、優れた環境アプローチからの製品、トレーサビリティ・ツールなどの特定のニーズを満たす食品である。

3)環境に配慮した農業にうまく移行させるための産業構築
これは、農業機械分野における革新的なソリューションをものづくりに生かすプロジェクトであるといえる。高機能な農業機械を流通させ、天然資源、または多様な遺伝資源を利用した解決策を示す。それは例えば、農業用ロボットやその他の革新的な農機具、動物の健康・福祉のための革新的な製品などである。

4) 農業・農産食品部門における移行とレジリエンス(回復)に向けた集団的アプローチ
農業分野を含む、複数の事業者を巻き込んだ集団的アプローチを支援する。目標は、この部門の競争力とレジリエンスの課題に協調的に対応させることにあり、特に次のような課題が優先される。
・品質アプローチ(品質や起源の兆候のある製品、有機農業など)
・植物性タンパク質の新しい供給源
・トレーサビリティ
・有機肥料の有効利用
・バイオガスの開発
・水の集団的管理
・動物の健康

[DW編集局+JSTパリ事務所]