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- 国・地域名:
- EU
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 欧州委員会(EC)
- 元記事公開日:
- 2022/05/03
- 抄訳記事公開日:
- 2022/06/02
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欧州保健連合:人々と科学に資する欧州ヘルスデータ空間
European Health Union: A European Health Data Space for people and science
- 本文:
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(2022年5月3日付、欧州委員会(EC)の標記発表の概要は以下のとおり)
欧州委員会(EC)はこのほど、欧州保健連合の強力な中心的構成要素の1つである欧州ヘルスデータ空間(EHDS)を立ち上げた。EHDSは、EUが欧州全域の人々に対する医療提供の方法を飛躍的な進歩させることに役立つ。これにより人々が自分の母国または他の加盟国において自身のヘルスデータを管理・利用することが可能になる。それは、デジタルヘルスサービス・製品の真の単一市場を育成する。また、EUの高度データ保護基準へ全面的に準拠しながら、研究、イノベーション、政策立案、規制活動にヘルスデータを活用するための、一貫した信頼性のある効率的な枠組を提供する。
■自国内または国境を越えて、人々が自分のヘルスデータを管理できるようにする
▽EHDS により、人々は電子形式のデータに無料で即時に簡単にアクセスできるようになる。彼らは、これらのデータを医療提供の向上目的で、加盟国内および加盟国全体の他の医療専門家と簡単に共有することができる。また、自分のデータを全面的に管理し、情報を追加したり、間違ったデータを修正したり、他の人へのアクセスを制限したり、自分のデータがどのように使用され、何の目的で使用されているかに関する情報を取得したりできる。
▽加盟国は、患者の概要、電子処方箋、画像・画像報告、検査結果、退院報告書が発行され、共通の欧州形式で受け入れられることを保証する。
▽相互運用性とセキュリティが必須の要件になる。電子健康記録システムのメーカーは、これらの基準への準拠を証明する必要がある。
▽市民の権利保護を保証するべく、すべての加盟国はデジタルヘルス担当機関を指名する必要がある。これら担当機関は、(患者が国境を越えてデータを共有することを支援する)国境を越えたデジタル・インフラ(MyHealth @ EU)に参加する。■研究、イノベーション、政策立案におけるヘルスデータ活用の向上を図る
▽EHDSは、研究、イノベーション、公衆衛生、政策立案、規制の目的でヘルスデータを活用するための強力な法的枠組みを創出する。研究者、イノベーター、公的機関、産業界は、厳密な条件下で、救命治療、ワクチン、医療機器の開発に不可欠な大量の高品質のヘルスデータにアクセスできることにより、医療へのより適切なアクセスとより回復力のある医療システムの確保が可能になる。
▽研究者、企業、機関によるそのようなデータへのアクセスには、すべての加盟国で設立されるヘルスデータ・アクセス機関からの許可が必要になる。アクセスが許可されるのは、要求されたデータが特定の目的で、安全な閉じた環境で個人の身元を明かさずに使用される場合のみである。また、有害な製品・サービスの設計や保険料の引き上げなど、市民にとっての有害な決定にデータを使用することも固く禁じられている。
▽各ヘルスデータ・アクセス機関は、(国境を越えたプロジェクトを支援するべく設置される)二次利用のための新たな分散型EUインフラ(HealthData @ EU)に接続される。 [DW編集局]