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- 国・地域名:
- オランダ
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- オランダ科学研究機構(NWO)
- 元記事公開日:
- 2022/05/18
- 抄訳記事公開日:
- 2022/06/10
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科学出版物の100%オープンアクセス化に向けたNWOの取り組み
- 本文:
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オランダ政府と科学団体は、科学出版物の100%オープンアクセスを目指している。オランダ科学研究機構(NWO)は、さまざまな方法でオープンアクセス出版を奨励しており、現在、NWOの資金提供による出版物の88%がオープンアクセスとなっている。
例えば、「オープンアクセス・ブック」プログラムにより、NWOの資金提供によって出版された学術書の利用可能性を高めている。このプログラムには、オープンアクセス出版物として利用可能な書籍(印刷物、デジタルの両方)の図書出版料(BPC)が研究者に払い戻されるオプションが用意されている。申請は、プロジェクト終了後5年以内であれば、常時提出することができる。オープンアクセスは、研究の可視性や影響力を高める。オープンアクセス(OA)書籍は、非OAの書籍に比べて10倍以上より頻繁にダウンロードされ、最大2.4倍の頻度で引用され、はるかに幅広い読者層を享受しているという調査結果がある。
オープンアクセスに加え、NWOは「オープン・ジャーナル」プラットフォームにも共同出資している。オランダには、特に人文・社会科学の分野で、独立した学術雑誌が多数存在する。これらの質の高い学術雑誌をオープンアクセスに移行させるのは困難な場合が多い。Openjournals.nlは、その解決策を提供しており、このプラットフォームで利用可能なジャーナルの数は、2021年の開始以来、ほぼ3倍になっている。例としては、Jeugd in Ontwikkeling、Religie en Samenleving等がある。
NWOは、これらの資金がオープンアクセス出版への障壁を取り除くことに役立つことを期待している。
[DW編集局+JSTパリ事務所]