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- 国・地域名:
- EU
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 欧州委員会(EC)
- 元記事公開日:
- 2022/05/16
- 抄訳記事公開日:
- 2022/06/17
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EU-米国貿易技術評議会:激動の時代における新たなパートナーシップの強化
EU-US Trade and Technology Council: strengthening our renewed partnership in turbulent times
- 本文:
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(2022年5月16日付、欧州委員会(EC)の表記発表の概要は以下のとおり)
パリでこのほど開催された第2回貿易技術評議会(TTC)の閣僚会議で、EU・米国両当事者は、新たな大西洋横断パートナーシップに向けたTTCの中心的役割を再確認した。これは、ウクライナに対するロシアの侵略に直面して、EUと米国がとっている共同措置の調整にすでに役立っている。
第2回TTC閣僚会議の主な成果は以下のとおりである。
■ウクライナ支援
TTCの共同議長は、ロシアの軍事侵略に対してウクライナを支援するという強力な共同取り組みを表明し、すでに実施された具体的な措置と、TTC内でさらに継続される具体的な措置について合意した。両者はまた、ウクライナについてその経済再建と貿易・投資の促進で協力する旨約束した。
■情報の公正性
両者は、危機的状況における情報の公正性を支援するための協力を強化することに合意した。まずは、ロシアの情報操作と干渉を特定するための共通の分析枠組みに焦点を当て、すべての危機的状況における協力枠組みの確立につなげる。
■貿易・労働対話
共同議長は、強制労働と児童労働の根絶を含む国際的に認知された労働者の権利を共同で促進するため、「貿易・労働対話」の確立に合意した。
■輸出管理
TTCでの協力では、航空宇宙やサイバー監視などの先端技術に対する輸出管理の迅速かつ整合的な展開を支援することで、ロシアの産業・軍事能力のさらなる発展能力を弱体化させてきた。両当事者は、この強力なコラボレーションの構築・強化を約束した。
■安全なサプライチェーン
ロシアのウクライナに対する侵略によって世界のサプライチェーンがさらに困難となっている中、両当事者は、サプライチェーンのレジリエンスを高めるための緊密な協力がこれまで以上に重要であることに合意した。たとえば、EUと米国は、半導体のバリューチェーンに関する共通の早期警告・監視メカニズムを開発し、供給の混乱に対する認識と準備を強化し、補助金の競合を回避するべく情報交換を行うことに合意した。
また、第三国における安全で強靭なるデジタルインフラ向けの公的資金支援に特化したタスクフォースは、一連の共通の包括的な原則に基づいて、第三国におけるデジタル・プロジェクトの米・EU合同の公的資金支援への道を開くことになる。
■技術基準
新興技術の分野では、EUと米国は、国際標準化活動における共通の利益を促進・擁護するための戦略的標準化情報(SSI)メカニズムを確立することに合意した。双方は、人工知能(AI)、付加的製造技術、材料のリサイクル、モノのインターネットなど共通の戦略的関心領域で、整合性のある相互運用可能な技術標準の開発促進に取り組む。
■人工知能(AI)
両当事者はさらに、共通のAI原則の実装について協議し、信頼できるAIとリスク管理のための評価・測定ツールに関する共同ロードマップを作成することに合意した。
■プラットフォーム・ガバナンス
EUと米国はまた、インターネットの未来に関する宣言と欧州のデジタル権利・原則に関する宣言に沿って、オープンでグローバル、相互運用可能で、信頼性が高く、安全なインターネットへの支持を再確認した。さらに、EUと米国は、プラットフォーム・ガバナンスの重要な側面に関する協力強化に合意した。
■中小企業による技術へのアクセス
EUと米国はこのほど、中小企業がサイバーセキュリティをより強化する方法に関するリソースを備えた「共同ベストプラクティス・ガイド」を公開した。
■貿易・技術の環境・気候の側面
持続可能性の促進は、TTCの包括的な目標である。閣僚らは、環境製品・サービスの普及を促進する上で貿易が果たすことができる役割のより適切な理解増進など、貿易と環境/気候問題に取り組む旨合意した。グリーン公共調達に関するより緊密な協力、および共通のカーボンフットプリント方法への取り組み、などである。
■貿易障壁
閣僚らは、政府調達と適合性評価に関する協力の強化や、二国間および第三国との関係における潜在的な新たな貿易障壁に関する情報交換などを通じて、大西洋横断的貿易・投資の増加に役立つ解決策に協力することで合意した。
[DW編集局]