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- 国・地域名:
- ドイツ
- 元記事の言語:
- ドイツ語
- 公開機関:
- ヘルムホルツ協会(HGF)
- 元記事公開日:
- 2022/04/06
- 抄訳記事公開日:
- 2022/06/22
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グリーン水素の3つの主要プロジェクトに、HGFの5つのセンターが参画
Drei Leitprojekte für grünen Wasserstoff mit Beteiligung von fünf Helmholtz-Zentren
- 本文:
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(2022年4月6日付、ヘルムホルツ協会(HGF)による標記報道発表の概要は以下のとおり)
カールスルーエ工科大学(KIT)、ドイツ航空宇宙センター(DLR)、HGFヘレオン・センター、ユーリッヒ研究センター、HGFドレスデン・ロッセンドルフ・センターの研究者は、ドイツ連邦教育研究省(BMBF)の水素に関する3つの主要プロジェクトで新しいソリューションを追求している。
エネルギー転換は社会が直面する主要な課題の1つであり、ドイツは2045年までに気候中立になることを目指している。水素技術は、重要な役割を果たすことになる。なぜならば、大規模に開発し、市場性を持たせることができると考えられるためである。水素は化石燃料を大規模に代替えし、再生可能エネルギーの貯蔵庫として機能し、気候にやさしいモビリティを可能にし、様々なエネルギー部門を互いに結び付ける。
水素の3つの主要プロジェクトは、国家水素戦略を実施するために、BMBFが中心となって進めている。BMBFは、大型電解装置の量産化(H2-Giga)、海上での水素製造の研究(H2-Mare)、水素輸送技術の確立(TransHyDE)に、約7億4,000万ユーロを提供したいと考えている。これらの3つのプロジェクトすべてに、5つのHGFセンターの研究者が専門知識を提供している。10のヘルムホルツ・センターで、合計約600人のスタッフが、未来の水素技術を研究している。H2-Giga:電解装置の量産化
このプロジェクトでは、既存の電解装置メーカー、多くの中小企業を含む様々な技術分野のサプライヤー、研究機関、大学が協力して、既存の電解技術を進歩させている。再生可能電力を用いて水を水素と酸素に分解する様々なプロセスに関する研究が進められている。HGFからは、KIT、DLR、ユーリッヒ研究センター、HGFドレスデン・ロッセンドルフ・センターが参加している。
H2-Mare:公海上で直接水素を製造する。
海上には、再生可能電力を生成するための非常に良い条件が揃っている。電力網に接続されていない洋上プラントで、風力エネルギーからグリーン水素を生産することは、陸上に比較してコストを大幅に削減することができる。従って本プロジェクトでは、グリーン水素やその他のPower-to-Xの海上生産、すなわち再生エネルギーの過剰生産による余剰電力の貯蔵およびその他の使用のための様々な技術を研究する。HGFヘレオン・センター、DLR、KITが、このプロジェクトを進めている。
TransHyDE:水素を安全かつ確実に輸送する。
水素経済では、バックボーンとなる適切な輸送インフラが必要である。短距離、中距離、長距離をカバーするために、どの輸送ソリューションが適しているかを明確にする必要がある。本プロジェクトでは、5つの附随するプロジェクトと4つの実証プロジェクトで、水素輸送技術の発展を目指している。そのために、水素輸送ソリューションをテストし評価する予定である。プロジェクト・パートナーの1つとして、KITがこのテーマを研究している。 [DW編集局]