[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
大統領府科学技術政策局(OSTP)
元記事公開日:
2022/05/04
抄訳記事公開日:
2022/07/01

連邦政府機関における懸賞型競争および市民科学活動の実施状況:2019~20年度報告

White House Office of Science & Technology Policy Releases Fiscal Year 2019-20 Federal Prize and Citizen Science Authority Report

本文:

(2022年5月4日付、大統領府科学技術政策局(OSTP)による標記発表は以下のとおり)

大統領府科学技術政策局(OSTP)は、2019〜20年度の連邦政府機関における懸賞型競争と市民科学活動の実施に関する報告書を発表した。この報告書は、イノベーションとパートナーシップを刺激し、米国民の科学への参加を促すための最近の連邦政府の取り組みを詳述している。

本報告書では、賞、チャレンジ型プログラム、クラウドソーシング、市民科学プロジェクトなど、以下を含む、多くの刺激的な事例が強調されている。

▽気候変動と環境科学:コロラド州内のロッキーマウンテン国立公園において、地域の課題解決に取り組む市民が現地調査を実施し、森林局によるナキウサギの気候変動に対する脆弱性評価を支援している。グランドキャニオンのコロラド川流域の住民たちは、米国地質調査所(USGS)が水生昆虫の個体数をモニターして、生態系の健康状態を測定・監視し、河川の健康状態の指標としてこれらの昆虫への気候の影響を測定することを支援している。
▽COVID–19:国防総省(DOD)は、COVID-19の大流行の際に、連邦政府機関のアイデアの提出およびイノベーションの能力を高める必要性を満たすため、賞金型チャレンジを迅速に設定し、病院での人工呼吸器の不足に対処した。また、保健福祉省(HHS)は、パンデミックの結果として孤立化が進んだ高齢者に対する技術的解決策を模索するため、賞金型チャレンジを利用した。
▽国際パートナーシップ:米国国際開発庁(USAID)は、エボラ出血熱やジカ熱などの疾病発生に対処し、農家にクリーンエネルギーをもたらすイノベーションを育みながら、多様な部門で「開発のためのグランドチャレンジ」を継続的に活用している。

今後2年間で、競争公募、チャレンジ型プログラム、クラウドソーシング、および市民科学は、多様なコミュニティとの関係を更新し、再構築する上で重要な役割を果たす。それらは、連邦政府機関によるイノベーションを推進する方法の再考を促し、科学、公平性、包括的知識生産、および環境正義への市民参加を促進するための手段である。これらは、全ての米国人が科学技術に完全に参加し、貢献し、そこから利益を得ることができるというバイデン大統領の指令を推進するための強力なツールとなる。

本報告書は議会により隔年の提出が義務付けられているものであり、2010年の米国COMPETES再授権法と2017年のクラウドソーシング市民科学(CCS)法のもと、市民科学を推進するための最近の取り組みの詳細を示している。具体的に同報告書は、COMPETES法の権限により報告された88件の懸賞型競争とチャレンジ型プログラム、および42件の市民科学とクラウドソーシング活動に焦点を当てている。また、自主的に報告された84件の懸賞型競争とチャレンジ型プログラム、および55件の市民科学とクラウドソーシング活動についても概説している。これらを合わせると、これまでの報告期間中に報告された中では最も多い活動を示している。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]