[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
元記事公開日:
2022/05/25
抄訳記事公開日:
2022/07/11

ドイツにおけるサル痘について、心配すべきか?

Affenpocken in Deutschland: Muss man sich Sorgen machen?

本文:

(2022年5月25日付ドイツ連邦教育研究省(BMBF)による標記報道発表の概要は以下のとおり)

ドイツでは、サル痘の数百例の症例が確認され、新たなパンデミックになるのではと多くの人々を心配させている。しかし現状ではワクチン、治療法および研究の進歩があり心配の必要はない。
多くの人々が新しいパンデミックを心配していることから、BMBFは、以下のように重要な質問に答えている:

▽サル痘の起源でわかっていることは?
サル痘はサルのウイルス性疾患であり、病原体は根絶されたと考えられている真性天然痘関連のもので、いわゆる人獣共通感染症である。
▽サル痘はヒトにどのような症状を引き起こすのか?
通常、サル痘はヒトでは軽度の天然痘の様な疾患を引き起こす。まれに、死に至る可能性がある。未治療の症例では、発症した人の約10人に1人の患者が死亡している。中央および西アフリカにおける以前の散発的な流行では、小児および青年において死者の増加が見られた。ヨーロッパと北米で現在流行しているのは、致死率が低いとされている西アフリカ型のウイルスである。
▽潜伏期間の長さは?
潜伏期間は約5~21日である。ロバート・コッホ研究所(RKI)は、感染が証明された人々に対しては、21日間の検疫を推奨している。
▽サル痘ウイルス(MPV)の感染の仕方は?
現在の感染は人から人への感染のようで、症例の多くは性的接触によるものである。
▽サル痘ウイルスは、コロナウイルスに匹敵するか?
以前の発見によると、いわゆるサル痘ウイルスは、SARS-CoV-2ウイルスほど容易に感染しない。欧州連合(EU)で承認されたサル痘ウイルスに対するワクチンと治療薬もすでにある。
▽サル痘の予防接種はあるか?
欧州連合では天然痘のワクチンImvanexが承認されており、サル痘の予防にも使用可能である。2022年6月9日以来、予防接種に対する常任委員会(Stiko)は、以下の特定のリスク・グループに対して、サル痘に対する予防接種を推奨している:
・感染者と密接に身体的接触をしたことがある人。
・複数のパートナーや同性との性的接触を持つ男性。
・感染性検査室サンプルを取扱い、標的を絞った作業を行なう特別な実験室の人員。

[DW編集局]