[本文]

国・地域名:
英国
元記事の言語:
英語
公開機関:
国防科学技術研究所(Dstl)
元記事公開日:
2022/06/06
抄訳記事公開日:
2022/07/15

国防科学技術プログラム・プロジェクト

Defence science and technology programmes and projects

本文:

(2022年6月6日付、国防科学技術研究所(Dstl)と国防省(MOD)による標記発表の概要は以下のとおり)

「国防科学技術ポートフォリオ(Defence Science and Technology Portfolio)」は、国防省(MOD)の能力ニーズを満たし、英国軍が技術の最先端を維持できるように考案された一連のプログラムと独立したプロジェクトである。

科学技術(S&T)を通じて戦略的優位性を維持することは、安全保障、防衛、開発、外交政策を統合した英国の第一の目標である。

今後4年間で、MODは研究開発(R&D)に少なくとも66億ポンドを投資するが、この科学技術ポートフォリオは、国防が作戦上の優位性を維持し、的確な判断を下し、英国の繁栄を生み出すことを保証するものである。

上記プログラムとプロジェクトは、主として国防科学技術研究所(Dstl)によって実施されるが、(多額のファンディングと協力の機会を通じて)産業界や学界のパートナーの協力が実施には不可欠である。

本ガイドでは、各プログラム(25件)と独立したプロジェクト(4件)の概要を解説している。

■プログラム

▽先端材料
材料科学における国防科学技術投資の焦点として、材料科学の世界的な発展とイノベーションを活用して、英国の国防・安全保障が戦略および作戦上の技術的優位性を維持できるようにする。

▽人工知能(AI)
新たなAI技術を適用・活用し、国防の主要課題に対するソリューションを推進するために、必要な基盤となる研究を実施する。

▽航空システム
英国の国防航空能力は、(適切な資格と経験を有する人材によって提供される)新たな技術と証拠に基づく助言の活用を通じて、希望する時間と場所で、より効率的に、より少人数で実行される。

▽自律性
現在、国防全体で自律性の運用を支援しつつ、将来に向けては最先端の自律オプションを推進する。

▽化学的・生物学的・放射線学的(CBR)防御
最先端の科学を通じて、化学、生物学、放射線、核(CBRN)での敵対や脅威に打ち勝つことで、英国の国防と安全保障に作戦上の利点を提供する。

▽通信・ネットワーク
MODは、科学技術を通じて、マルチドメイン統合を可能にし、国防マルチドメイン C4 の課題に対処するために、通信とネットワークのレジリエンス、到達範囲、自律的な相互運用性を可能にする高度なオプションを備えている。
国防は、より多くのデータを収集するセンサーの増加、機械学習と人工知能アプリケーションによるデータ分析と意思決定の速度向上により、情報に対する需要の増加という課題にすでに直面している。同時に、リモートシステムや自律システムなどの新しい戦場資産の増加により、通信リソースに対する需要が高まっている。これらのシステムはすべて、通信、情報、司令・統御のために電磁スペクトルにアクセスする必要がある。

▽犯罪と警察
犯罪と警察プログラムは、英国の警察、刑事司法制度、消防・救急サービス、英国国境警備隊、内務省(HO)に対して、(英国における刑事、警察、セキュリティ能力を支え、犯罪やテロ活動に対抗する)科学技術の専門知識、適用助言、ソリューションを提供する。

▽サイバーセキュリティ
MODには、科学技術を通じて、英国の軍事力を敵のサイバー活動や脅威から効果的かつ一貫して防御できるようにする選択肢を備えている。

▽国防科学技術の未来
科学技術の今後の活動への投資を活性化して、可能性を特定し、仮説を立てて迅速に検証し、次世代以降の科学技術の新たな洞察を促進することで、国防は将来に向けてより適切な備えを持つ。

▽抑止力と潜水艦システム
画期的な科学技術を提供し、英国の原子力企業をサポートする技術やその他の手段を提供することで、次を実現する。① 潜在的な敵に対して戦闘で勝利するための優位性を持つ英国の潜水艦、② 英国の核抑止力が生涯にわたり信頼性と有効性を継続すること。

▽電磁波(EM)活動
研究では、強力な電子攻撃など電磁波活動の同期と調整を可能にする能力とサービスを開発し、今後の電磁波環境(EME)におけるマルチドメインの作戦と効果を可能にした。

▽将来の速度効果と武器(FKEW)
最先端の科学技術および次世代や次世代以降の兵器の効果的な意思決定に必要な確固たる証拠を提供し、ハードパワーによる作戦上の優位性を確保すると同時に、英国の適切な資格と経験を有する要員(SQEP)、施設、ツールの維持を確保する。

▽今後のセンシング技術
革新的で斬新なセンシングの概念とその基盤となる技術により、将来の困難で混雑した競合環境で、広範囲でレジリエントな状況認識と標的設定を実現し、複雑で多様な脅威に対する作戦上の優位性と行動の自由を可能にする。

▽今後の要員と訓練
現在および将来の国防要員の強化を図る。人的能力を通じて国防の優位性達成に資する概念や関与方法を特定、開発、試験する。

▽高レベルの意思決定支援
国防に証明・分析ツールを装備し、高度なポリシー、リソースの投入、戦略・作戦上の意思決定支援により将来に備える。

▽人間の行動と保護
科学技術により、生存率を高め、脆弱性を減らすために、英国軍隊の実行能力を保護・最適化する。

▽極超音速機
高速兵器(HSW)の機体とそれを支えるサブシステムを実地説明し、将来の極超音速の概念と技術を開発して、将来の英国軍に運用上の利点をもたらす、変革的で実行可能な選択肢を提供する。

▽影響力と指揮
国防は、科学技術を通じて、行動科学・分析科学、および社会技術的能力を活用して、改善された方法、ツール、技術を提供し、影響力、指揮、統制を展開する。これらの要素を統合して、国防のほかより広範に政府に利益をもたらす。

▽陸上システム
概念から能力まで、英国陸軍が技術的および作戦上の利点を達成できるようにする。

▽海上システム
概念から能力まで、英国海軍が技術的および作戦上の優位性を達成できるようにするために、科学技術を提供する。

▽ミサイル防衛
ミサイル防衛科学技術プログラムは、ミサイル防衛センター(MDC)が英国のミサイル防衛の卓越したセンターとして機能し、国際的なパートナーとの協力および英国の産業界や学界との緊密な協力を通じて提示される機会を最大化できるようにすることで、2020年のMOD科学技術戦略の意図を支援する。具体的には、本プログラムは、次世代以降の能力の開発を支え、英国の国防・安全保障を代表する重要な能力を維持するための研究に資金を提供する。

▽セキュリティ・システム
爆発物の脅威、デバイス、関連システムに対抗するために、統合された、効果的で応答性の高い英国政府の科学技術能力を提供する。作戦上の利点を提供し、英国および海外での防衛およびテロ対策作戦における生命へのリスクを最小限に抑える。

▽宇宙システム
MODには、科学技術を通じて、宇宙での優位性を構築するための投資オプションがあり、国防・国家宇宙戦略の目標を満たすための作戦領域としての宇宙へのアプローチを成熟させてきた。

▽専門要員制度
専門要員ユーザ(SU)が高精度・最小限のシグネチャで独自のタイムリーなグローバル効果を提供することで、戦略的な作戦上の利点を支援する選択肢を拡大するための、世界をリードする科学技術を推進・展開する。

▽支援と持続可能性
支援と持続可能性の問題に対する潜在的な解決策の国防上の理解を深めるために、一連の科学的・技術的実証試験と研究プロジェクトを確立する。

■プロジェクト

▽工学的生物学
合成生物学は、有用な目的のために、自然界にはまだ存在していない生物学的構成要素およびシステムの設計・製造として定義することができる。工学的生物学は、合成生物学のソリューションを特定し、それらを製品、つまりMODの用語で言えば能力に変換するプロセスである。
工学的生物学は破壊的技術である。合成生物学と工学的生物学は、英国の国防・安全保障に新しい機能を提供し、歴史的に困難な防衛問題を解決することができる。

▽人間拡張
科学技術に単一の首尾一貫した的を絞った焦点を提供することで、国防ビジョンに情報を提供し、望ましい結果を達成し、人間拡張(HA)の戦略的目標を主導する。

▽パルサー(PULSAR)
レーザーおよびプラズマ物理学の最先端で、PULSARプロジェクトは、超強力レーザー(UIL)の幅広い防衛・安全保障用途を探究している。目的は、将来のアプリケーションを可能にする基盤となる科学を成熟させることである。

▽作戦と危機への支援
作戦や危機対応に際して、科学、工学、技術、分析などの技術支援を率先して提供すること(および不可欠な情報源)。英国および海外での作戦の緊急ニーズを満たすために、また緊急事態時に、タイムリーで証拠に基づいた実用的な対応を提供すること。

[DW編集局]