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- 国・地域名:
- ドイツ
- 元記事の言語:
- ドイツ語
- 公開機関:
- フラウンホーファー協会(FhG)
- 元記事公開日:
- 2022/06/01
- 抄訳記事公開日:
- 2022/07/15
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フラウンホーファー生産技術・オートメーション研究所が電力需給を同期化するプラットフォームを開発
Fraunhofer-IT-Plattform synchronisiert Stromangebot und -nachfrage
- 本文:
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(6月1日付、フラウンホーファー協会(FhG)による標記報道発表の概要は以下のとおり)
2045年までにドイツの電力は完全に再生可能エネルギーで賄われることになっている。大きな課題は、風力と太陽光からの電力供給が変動することである。コペルニクス・プロジェクト“SynErgie”では、フラウンホーファー生産技術・オートメーション研究所(IPA)がパートナーと協力して、エネルギー同期化プラットフォームを開発している。これは産業界がこれらの変動のバランスを調整して、生産と発電の同期化を可能とするものである。さらにフラウンホーファーIPAの研究者たちは、目下、ITプラットフォーム向けに初めてとなる省エネ・アプリケーションを実証している。
将来的に、このプラットフォームで、需要と供給が調整され、工場から市場へのエネルギー融通取引の全プロセスが、ITプラットフォームとそのサービスによって自動化および標準化され、リファレンス・アーキテクチャーにマッピングされる。リファレンス・アーキテクチャーの開発は、2022年末に完了予定である。これは、特にアウグスブルクのエネルギー・フレキシブル・モデル地域で、多数の研究および産業実証試験によって、テストされる予定である。
フラウンホーファーIPAのイェシリュルト(Ozan Yesilyurt)氏は「このプロジェクトでは、エネルギーをフレキシブルに使って設備を制御し、エネルギー市場の柔軟性を有効に活用するために、必要となるIT基盤を開発し、さらに柔軟性を持たせた生産技術やセクター横断型の技術を開発している」と述べている。
「ITプラットフォームが柔軟性を求める企業を結びつける。そのベースとして、フラウンホーファーIPAで開発したグランド・プラットフォーム“Virtual Fort Knox”を用いる」とフラウンホーファーIPAの生産デジタル・ツール部門のイェシリュルト氏は述べた。
市場および企業プラットフォーム:
エネルギー同期化プラットフォームは、市場プラットフォームと企業プラットフォームという2つのサブプラットフォームで構成されている。企業プラットフォームでは、企業の個々のエネルギーの柔軟性を把握・管理・集計することが可能である。
エネルギー同期化プラットフォームは、エネルギーの柔軟性をベースに取引きするエネルギー取引プラットフォームではなく、むしろエネルギー取引所のトレーダーと、柔軟性を提供できる企業との間を仲介するものである。自律型ロボットで電力コストを削減:
「多くの企業が強力なリチウム電池を搭載した無人搬送車(FTF,AGV)を保有している。これらのバッテリーは消費ピークを回避するために使用できる。実施するには、電力需要が増加した時に自律ロボットを充電ステーションに呼びよせ、余剰電力をAGVにより自社のグリッドに供給すればよい。このように消費負荷のピークと比較しながら、AGVの使用可否を判断することで、企業のシステムは、動作し続けることができる」とイェシリュルト氏は述べた。 [DW編集局]