[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
米国海洋大気局(NOAA)
元記事公開日:
2022/06/09
抄訳記事公開日:
2022/07/19

米国が気候変動観測衛星を活用する国際イニチアチブに参加

U.S. joins the Space for Climate Observatory

本文:

(2022年6月9日付、米国海洋大気局(NOAA)による標記発表の概要は以下のとおり)

今週、米国は「宇宙からの地球気候観測機関」(SCO:Space for Climate Observatory)イニチアチブに参加し、2021年11月にハリス副大統領がフランスを訪問した際の公約を実現した。リチャード・スピンラッド商務省海洋大気担当次官兼米国海洋大気局(NOAA)長官は、米国の主導機関としてSCO憲章に署名した。署名式には、フィリップ・エチエンヌ駐米フランス大使、フィリップ・バティスト フランス国立宇宙研究センター(CNES)会長兼CEO、大統領府、NOAA、米国航空宇宙局(NASA)の代表者が参加した。

SCOは、CNESが主導するワン・プラネット・サミット(One Planet Summit)のイニチアチブで、衛星や現場のデータを科学研究に関連付けて、地球レベルから地域レベルまでのスケールで気候変動とその影響をモデル化し追跡するものである。また、気候変動の影響を緩和するための、国際社会としての総合的な能力を高めるために、社会経済科学を含め調整の取れた分野横断的な方法で、指標と意思決定支援ツールの確立に取り組んでいる。

「NOAAを代表とする米国は、SCOの設立を強く支持し、その憲章の最初の署名者の一人となれたことを嬉しく思っている。我々は、地球観測の結果を実用的な情報に変換して、政府やコミュニティが気候危機に立ち向かい、変化する世界に適応できるよう支援するために、連邦政府やCNESを含む世界のパートナーと協力できることを楽しみにしている」とスピンラッド長官は述べた。

NOAAは、商務省とともに、バイデン大統領が掲げる気候危機への対策と、持続可能な経済発展のための政府全体の取り組みにおいて、重要な役割を担っている。温室効果ガスの測定から海面上昇の予測まで、NOAAの気候観測、科学、意思決定ツールは、米国および世界中のコミュニティで、異常気象時の人々の安全確保、農業や運輸などの産業における経営判断、将来のインフラ整備に活用されている。NOAAは、成果として気候科学、サービス、管理者責任をもたらすという使命のもと、世界が気候変動に対応できるよう支援している。

「宇宙は、我々の惑星を観察するうえで他に類を見ない。宇宙技術は、気候変動の理解と適応に不可欠な多くの気候変数を非常に正確に測定することを可能にしている。様々なデータソースを組み合わせて行動のためのシナリオを提供する方法論を考案することによって、SCOは、地域レベルでの気候変動の影響に対する備え、適応、レジリエンスに関する意思決定のための重要なツールとなることを目指している。フィリップ・バプティストCEOは、「米国がこのイニシアチブに参加することは、その発展における新たな一歩となる」と語った。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]