[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
マックスプランク協会(MPG)
元記事公開日:
2022/06/07
抄訳記事公開日:
2022/07/19

イニシアチブ“Maxpreneurs”によりMPGのスタートアップ文化を強化する

Start-ups braucht das Land

本文:

(2022年6月7日付、マックスプランク協会(MPG)による標記報道発表の概要は以下のとおり)

ドイツの基礎研究は、最近、合計61の欧州研究会議(ERC)の先端助成金(Advanced Grants)の取得に成功し、ヨーロッパで1位を確保したことが示すように、依然として強力である。しかしドイツでは、このことがスタートアップや企業の成功に結びついていない、との元連邦教育研究省(BMBF)事務次官のザッテルベルガー(Thomas Sattelberger)氏は、“WirtschaftsWoche”誌の投稿記事の中で述べている。

マックスプランク・イノベーション社の役員であるマール(Ulrich Mahr)氏は「起業家精神文化の欠如、困難な資金調達環境、劣悪な税制、投資家の出口機会の乏しさに加えて、起業家と大学や研究機関との間のライセンス契約の交渉には常に遅延がある」と述べている。
マール氏は「マックスプランク・イノベーション社は、2018年から定額参加モデルに取り組んでいる。同社は、新しく設立された会社への一括参加と財団の財務的にやさしいライセンスと引き換えに、MPGの特許の使用権を付与する」と説明する。

MPGのシュトラートマン(Martin Stratmann)会長は「科学の卓越性と経済的成功は、しばしば密接に関連している。したがってイニシアチブ“MAXpreeneus”によって、研究者に科学的成果の応用の可能性を探る勇気を与え、応用が可能となるようにしたいと考えている」と述べている。

このイニシアチブの目的は、MPGの科学者に、別のキャリア・オプションとしての起業に目を向けさせ、研究所のスタートアップ文化を強化することである。このイニシアチブのパートナーには、プランク・アカデミーとマックスプランク・イノベーション社とマックスプランク財団(MPF)が加わっている。

プランク・アカデミーは、個人レベルで数多くのトレーニングの機会を支援し、キャリア・エボリューション・ゲームウイークなどのイベントを通じて、科学界を超えた若手研究者のキャリアパスを提示している。

MPFの技術スカウトは、ターゲットを絞って探索作業を実行する。スカウトが探している案件を発見したら、研究者と協力して、技術、チーム、ビジネス、市場などの観点から成熟度を調べ、スピンオフの成功の可能性を評価する。
最終的に、マックスプランク・イノベーション社が主催する新しいインキュベーション・プログラム“MAX!mize”が行なわれる。このプログラムは、イニシアチブ“MAXpreeneus”の中心となるもので、経験豊富なスタート・アップ・マネージャーがプログラム参加者に助言とコーチングを行なう。起業を志すチームは、ネットワークの構築、財務、資金調達のサポートも受けられる。

現在、最初のチームがプログラムのフェーズ1を開始したところである。11月には、評議員が評価し、参加者の何人が思い切って、フェーズ2を通じて科学の世界を超えたキャリアを歩むかを判断する予定である。

[DW編集局]