[本文]

国・地域名:
フランス
元記事の言語:
フランス語
公開機関:
原子力・代替エネルギー庁(CEA)
元記事公開日:
2022/06/16
抄訳記事公開日:
2022/07/26

CEAと天然ガス大手GRDF、水熱ガス化を支援

De la recherche à l'industrie - Innovation : le CEA et GRDF soutiennent l’émergence de la gazéification hydrothermale

本文:

(2022年6月16日付、原子力・代替エネルギー庁(CEA)の標記発表の概要は以下のとおり)

CEAと天然ガス供給大手GRDF社は、廃水処理施設の汚泥などの液体バイオマスからバイオメタンを製造できる、水熱ガス化技術の実証実験に取り組んでいる。水熱ガスの工業化を進める「Gazhyvert 2 プロジェクト」の一環。2050年までにフランスにおけるグリーンガス生産は合計で420TWh(テラ・ワット毎時)になる可能性があるが、水熱ガス化は、嫌気処理などの他の技術と並び、最大で50TWhを占める可能性がある。

■バイオメタン生産の有望な方法である水熱ガス化
水熱ガス化により、汚泥からバイオメタンを生成することが可能になり、このプロセスから生じる熱の効率的な再利用が組み込まれる。再生可能ガスの生産にこの技術に着目したCEAとGRDFは、このプロセスの実現可能性を評価するために「Gazhyvert プロジェクト」を立ち上げた。得られた実験結果や、それに続く技術的、経済的、環境的研究は、この技術が社会で応用でき、かつ有効であると実証した。そのうえで「Gazhyvert 2プロジェクト」を始め、2025年までに水熱ガス化の工業化に必要な適応条件を定めることを目標としている。それは工業化実証試験の設計につながり、技術の成熟度向上に資するものである。

■水熱ガス化による液体バイオマスの活用
革新的な熱化学プロセスである水熱ガス化により、液体有機物から再生可能なガスを生成することが可能になる。この技術は、摂氏500度から同700度までの高温と約300バールの高圧で動作することで、超臨界状態の水の特性により、バイオマス中の炭素の最大90%をバイオガスに変換することを可能にする。また、持続可能な栄養素や肥料として使用できるミネラル塩(窒素、リン、カリウムなど)の回収することができる。資源という点では、拡散または堆肥化できない廃水処理プラントからの汚泥が、材料とエネルギーの両方の回収のために、水熱ガス化によって有用に回収することができる。

[DW編集局+JSTパリ事務所]