（2022年6月23日付、欧州委員会の発表の概要は以下のとおり）

欧州イノベーション・技術機構（EIT）はこのほど、文化・創造性に関する知識・イノベーションコミュニティ（KIC）を発表し、緊急の社会的課題（気候、デジタル、エネルギー、保健、原材料、食品、製造、都市モビリティ）に取り組む既存の8つのコミュニティに追加した。

EITは、2021年10月にKICに関する新規提案公募を行い、「EITの文化・創造性」がセクターに変化をもたらす方法についてビジョンを提出するよう応募者に呼びかけた。フラウンホーファー研究機構が率いる採択コンソーシアムICE（創造的経済によるイノベーション）は、20か国から50のパートナーで構成されており、地理的に広い範囲をカバーしている。そのミッションは、文化・創造性に関するセクター・産業のイノベーションの可能性を切り開き、COVID-19 パンデミック後の持続可能な成長と復興に貢献することである。この新たな汎欧州パートナーシップは、教育、研究、ビジネス分野の主要プレーヤーを結び付け、最先端の研究成果をイノベーションに変える、十分に訓練された専門家と革新的な起業家を欧州にもたらす。

「EIT の文化・創造性」の確立を促進するために、EITは、採択したパートナーシップに最大600万ユーロの起業助成金を提供し、できるだけ早期に完全に機能するようにする。パートナーシップが最高速度（教育プログラムの提供、イノベーション・プロジェクトの支援、欧州全体でのビジネス創出とビジネス加速サービスの提供）に達すると、助成金は増加し、現在の Horizon Europe プログラムでは年間約7,000万ユーロに達する可能性がある。さらに、KICは官・民セクターからのより多くの資金活用が期待されている。

このコンソーシアムは、特に次のことを目指す。

・産業界全体のスキルとしての最先端の技術教育をクリエータに施すことで、文化・創造性セクター・産業（CCSI）教育の限界を打破する。
・CCSI の力を活用して革新的なサービスを開発するミッション主導のイノベーションをもたらす。
・イノベーション支援、インキュベーション・スキーム、新規投資、慈善融資を通じてCCSI 企業の変革を図る。
・経済再生と社会的結束を可能にするものとして、CCSI、特に文化と遺産の影響と価値を主流に組み込む。
・新しいデータ駆動型の方法に基づいた研究・イノベーションへの CCSI のユニークな貢献について認識と知識を深める。

[DW編集局]