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- 国・地域名:
- ドイツ
- 元記事の言語:
- ドイツ語
- 公開機関:
- マックスプランク協会(MPG)
- 元記事公開日:
- 2022/06/23
- 抄訳記事公開日:
- 2022/07/29
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MPG新会長にパトリック・クラーマー氏を選任
Patrick Cramer wird ab Juni 2023 neuer Präsident der Max-Planck-Gesellschaft
- 本文:
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(6月23日付、マックスプランク協会(MPG)による標記報道発表の概要は以下のとおり)
2022年6月23日ベルリンで開かれたMPGの評議員会(Senate)は、満場一致でパトリック・クラーマー(Patrick Cramer)氏を、2023年から2029年の任期でMPIの次期会長に選出した。彼は53歳で化学者・分子生物学者であり、ゲッティンゲンのマックスプランク学際自然科学研究所の所長である。彼は2023年6月に、MPGの創立地であるゲッティンゲンで、MPGの創立75周年を記念して、シュトラートマン(Martin Stratmann)現会長から職務を引き継ぐ予定である。シュトラートマン氏はMPGの会長を9年間務め、2019年の再選の際に任期途中での退任を表明していた。
クラーマー氏は、2014年からMPGの科学会員であり、マックスプランク学際自然科学研究所の所長を務めている。科学者として高い評価を得ており、2021年のルイ・ジャンテット医学賞など、数多くの科学賞を得ている。彼は国立科学アカデミー・レオポルディーナ(Leopoldina)と、欧州分子生物学研究機関(EMBO)のメンバーであり、全米科学アカデミー(NAS)の会員でもある。彼はフランス・グルノーブルにある欧州分子生物学研究所(EMBL)で博士号を取得、2001年から2014年までミュンヘン大学で生物化学の教授を務めた。クラーマー氏は、次のように述べている「MPGの会長としてミュンヘンに戻り、様々な科学研究組織での経験を活かして、ドイツの最先端の研究を推進できることをうれしく思っている」。
同氏は、細胞核内で最大の酵素の1つであるRNAポリメラーゼの立体構造を解明し、その転写機構を解読することに成功した。コロナウイルスのパンデミック発生の直後に、彼と彼のグループは、コロナウイルスがそのゲノムをどのようにコピーするかを可視化した。さらにチームは、Covid-19薬レムデシビルとモルヌピラビルがこのコピー・プロセスにどのように介入しているかの解明に成功した。彼はとりわけEMBL評議会 の議長として科学政策の経験を積んできた。またMPGの生物医学部門の「将来展望に関する」委員会の委員長を務めた。クラーマー氏はMPG副会長であるバーナー(Andreas Barner)氏が委員長を務める会長選考委員会によって満場一致で次期会長に推挙された。バルナー委員長は評議員会で次のように述べた「クラーマー氏はすばらしい受賞歴があるだけではなく、大学の自治と多くの様々な組織での幅広い経験があり、MPGの科学研究組織を統率するにふさわしい優れたマネジメント能力を持っている」。
[DW編集局]