（2022年6月16日付けの米国国立衛生研究所（NIH）による標記記事の概要は以下のとおり）

国立衛生研究所（NIH）の国立がん研究所（NCI）と、英国Cancer Research UKが連携して、がん・グランド・チャレンジ（Cancer Grand Challenges）プログラムを立ち上げた。

本プログラムは、がん研究を発展させ、がんに罹患した人々のアウトカムを改善する可能性がある斬新なアイデアを持つ、世界中から集まった学際的な4チームに、5年間で1億ドルを授与するものである。選定されたチームには、各々2,500万ドルが授与され、6月16日にワシントンDCで開催された「がん・グランド・チャレンジ・サミット」で発表された。

選ばれた4チームはそれぞれ、1) 悪液質として知られるがん患者の筋肉消耗状態、2) がんにおける染色体外DNAの生物学、3) 小児固形がんに対する新しい治療法、4) がんを引き起こす変異を持つ正常細胞が腫瘍細胞になるきっかけ、などについて研究を行う。

60か国以上の合計169の研究チームから、本プログラムが提起する9つの課題のいずれかに対する予備的提案書が提出された。これら提案の中から、患者組織の見解を踏まえた専門家グループによって11チームが選定され、そのアイデアを正式な提案に発展させるためのシード資金が提供され、さらにその中から、4チームが本格的な資金提供を受けることになった。

なお、NCIとCancer Research UKの連携による次回の資金提供は、2023年と2025年に予定されている。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]