フランス政府は7月28日、国民の職業能力開発を目指す「専門知識と未来の仕事」（CMA）プログラムの関心表明公募で、66の候補を受け付けたと発表した。国の５か年計画「フランス2030」の枠組みから20億ユーロを投じ、新しい分野や未来の職業に求められる特殊能力を養えるよう、既存の教育を変革させることを目指す。

　このCMAの関心表明公募は、国立研究機構（ANR）と預金供託公庫の一部門である国土開発銀行が、昨年12月に発表。社会で必要な職務や知識を満たすとともに、一定の資格や学位によってその能力が社会的に認められることを目指す。それにより将来の職業に対応できる人材を育成するとともに、その育成の取り組みが、初等教育や中等教育だけでなく、学生、社会人、求職者、自営業者などさまざまな立場の人に対応できるようにする。

　公募は「必要な教育のあり方の探求」（23プロジェクト）と「必要な教育の実行」（43プロジェクト）の２種類に大別される。

　今回の関心表明公募は、「フランス2030」の優先目標10項目に沿う教育プロジェクトを探し出すことが目的で、想定する分野は、グリーン水素、再生可能エネルギー、製造業の脱炭素、農業・食料、医療、デジタル技術、宇宙、文化的・創造的コンテンツなどである。

[DW編集局]