[本文]

国・地域名:
フランス
元記事の言語:
フランス語
公開機関:
原子力・代替エネルギー庁(CEA)
元記事公開日:
2022/07/27
抄訳記事公開日:
2022/08/16

暗号鍵の基盤技術開発 世界初の通信セキュリティ研究

Première mondiale dans la recherche de sécurisation des communications

本文:

(2022年7月27日付原子力・代替エネルギー庁(CEA)の標記発表の概要は以下のとおり)

フランス原子力・代替エネルギー庁(CEA)、スイス・ジュネーブ大学、英オックスフォード大学、スイス連邦工科大学のローザンヌ校およびチューリッヒ校の研究者らは、特に量子攻撃に対して耐性のある暗号鍵の基盤技術を開発した。世界初の成果で、これまでになく高いセキュリティが保証された通信への道が開かれることになる。7月27日付Nature誌に掲載された。

CEAの物理学者らは、パートナーの支援を受け、絶対確実なセキュリティでの通信を可能とする量子鍵配信の新概念を構想し、実装した。RSAなど現在使用されているプロトコルは、古典的なコンピュータでは解読が困難であるものの、将来の量子コンピュータには非常に脆弱であるとされるのに対して、この量子情報理論に基づく量子配送技術は、今後長期にわたって機密データの保護を可能とするものである。

加えて、本システムで生成される暗号鍵は、それを生成する量子デバイスに関する知識の有無によらず、データセキュリティを保証するという点においても世界初である。即ち、量子技術による本暗号鍵の生成の詳細を知らなくても、鍵のセキュリティを確保し、改ざんをより困難にし、機密情報通信の安全性を確実なものとする。

研究者らは現在、量子技術国家戦略からの補助金を受け、特に光通信システムを使用して 、交信する機器間の距離を広げることによって、販売可能なシステムに近づけようとしている。これを利用することで、新興企業でも、高機密データ (外交、医療など)の高度に安全な通信を提供できるようになる。一方、CEA では、サイバーセキュリティの課題への対処が可能になる。

[DW編集局+JSTパリ事務所]