[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
元記事公開日:
2022/07/21
抄訳記事公開日:
2022/08/19

BMBFが「ドイツ水素事業アトラス」を発表

Stark-Watzinger: Wir wollen Deutschland zur Wasserstoffrepublik machen

本文:

(2022年7月21日付、ドイツ連邦教育研究省(BMBF)による標記発表の概要は以下のとおり)

ドイツ連邦教育研究省(BMBF)と東バイエルン・レーゲンスブルク工科応用大学(OTH Regensburg)は、本日、「ドイツ水素事業アトラス」(Hydrogen Atlas Germany)を発表した。アトラスには、エネルギー転換と気候変動防止のための水素利用の現状、地域ごとの進捗、事業機会と可能性が示されている。

ヴァッツィンガーBMBF大臣は、次のように語った:
「ドイツを水素立国にしたい。そのため、BMBFは、業界主導の主要水素事業と水素の基礎研究プロジェクトの両方を支援して行く。その支援の1つが、本日発表したドイツ水素事業アトラスである。これは、何をどれだけ達成したか、どのような可能性をどの程度のコストで利用できるか、それによってどの程度のCO2削減ができるか、そしてドイツの水素経済によって、どこでどの程度の雇用が生まれ得るかを示すものである。水素事業アトラスは、プロジェクト立案者、地方自治体、公共事業体、投資家、その他の意思決定者にとって、迅速な意思決定のための有用なツールとして、価値の高いものである。何故なら、我々は繁栄を維持すると同時に、気候変動を防止せねばならず、そのためには水素経済の発展を加速させる必要があるからである」。

プロジェクトリーダーであるミヒャエル・シュテルナー教授(Prof.Dr-Ing. Michael Sterner)は、次のように付け加えた:
「エネルギー供給と気候中立の双方を確保するためには、再生可能な方法で作られた電力と水素、そしてその派生物が大量に必要である。水素は、再生可能電力と並んで、ドイツを気候中立にするための主燃料である。ドイツには水素事業の大きな可能性があり、この水素事業アトラスによって活性化したいと考えている。このようにして、各地方とドイツ全体の輸入ガス・石油への依存度を下げることができる。アトラスを使用することで、知識を広め、計画の具体化を容易にする。アトラスでは、各地域での実質的な水素供給ポテンシャルと電力需要が示され、市場強化の必要性が可視化される。我々の目標は、すべての関係者を刺激し、水素事業のポテンシャルについて啓発し、水素事業を具体化して人々に身近なものとすることである。」

背景:
ドイツ水素事業アトラスは、BMBF からの70万ユーロの資金提供により、ドイツ全土の地域ごとの水素の需要、コスト、水素利用によるCO2排出削減量を推定することを可能にする。即ち、具体的な水素生産計画策定を容易にするための、総合的で自由にアクセス可能な手段を提供するものである。

2012年来、常にアップデートされているすべてのGerman Power-to-Xシステムのインベントリに加えて、グリーン水素のすべてのバリューチェーンが地域別に公開され、すべての分野(電力、建設、輸送、製造業)における水素と化石燃料の比較ができるようになる。

[DW編集局]