[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
大統領府科学技術政策局(OSTP)
元記事公開日:
2022/07/21
抄訳記事公開日:
2022/09/01

米国のサル痘研究の優先事項

U.S. Monkeypox Research Priorities: Speeding Science for Impact

本文:

(7月21日付、大統領府科学技術政策局(OSTP)による標記発表の概要は以下のとおり)

サル痘は、現在までに70か国以上で発生しており、米国の2,300人以上を含む15,000人以上が感染している。本日、米国政府はこの大流行に対処するための明確な研究の優先事項を打ち出した。OSTPが主導し米国政府内の専門家からなる「サル痘研究優先事項チーム」が、研究を加速し、米国及び世界のサル痘流行への対応を可能にする計画の概要を示した。この政府全体の取り組みは、世界保健機関(WHO)のサル痘研究開発計画や、英国健康安全保障局(Health Security Agency)の優先順位分析など、他の世界的な活動を補完するものである。

米国政府は、現在進行中の取り組みと各機関の協力を活用し、血清調査、疫学・臨床観察研究、分子疫学、生態学的研究、国際的トレーニング、初期段階の医療対策開発などの優先度の高いプロジェクトを支援するために、1億4千万ドルを拠出する。省庁間チームは、以下の7つの研究重点分野と各分野の優先事項を特定した。ただし、この優先事項は、発生の最新の状況と新たな対応ニーズを反映するために、常に見直され、改良される予定である。

① 疫学的、免疫学的、臨床的特徴: 感染動態とモード、モデリングと予測、臨床症状とリスク要因、接触追跡の効果、逆人獣共通感染の可能性
② ワクチン・治療法の効果と安全で公平な配布: ワクチンの効果(暴露の前後)、治療効果(暴露前と治療)、ワクチンの接種法の効果・安全性比較、免疫抑制治療中の者・妊婦・小児等を対象とした研究
③ 診断ツールと調査: 既存及び新規診断法の検証と戦略的な適用、未検出感染のレベル、各種検体でのウイルス検出、血清抗体調査と血清学的分析、診断へのアクセス改善、ゲノムの配列決定と調査、コミュニティと下水調査
④ 治療と診断効果の新規評価法: 分散治験、遠隔地事例調査、介入手法の改善
⑤ 環境的感染制御とハイリスク感染の条件: 汚水処理、ウイルス除去のベストプラクティス、環境安定性
⑥ 公衆衛生コミュニケーション戦略: 感染地域における対策の実行をガイドするための量的質的データと将来予測の直接収集、介入に対する社会認知の評価
⑦ 緊急公衆衛生時の公平性改善と風評被害の防止: サル痘感染検出キットの公平な配布とアクセス改善、非流行国における感染対応と流行国における管理との公平な調整

[DW編集局+JSTワシントン事務所]