[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
国立科学財団(NSF)
元記事公開日:
2022/07/11
抄訳記事公開日:
2022/09/02

NSFが環境データ科学分野の研究センターを設置

New NSF center will advance, broaden and catalyze environmental data science

本文:

(2022年7月11日付、国立科学財団(NSF)の標記報道発表の概要は以下のとおり)

気候変動や生物多様性損失の影響を理解し、山火事、洪水、干ばつなどの極端な環境外乱を予測して準備するためには、さまざまな規模で情報を提供できるデータ集合を組み合わせて、総合的に取り扱う必要がある。

こうしたデータの分析・統合を支援し、環境科学におけるデータ集約型アプローチや訓練を促進するために、NSFは、コロラド大学ボルダー校に5年間、2000万ドルを拠出して、環境データ科学イノベーション・インクルージョンラボ(ESIIL、イーゼル)を創設すると発表した。

NSFと米国の他の科学機関は、環境ネットワークと観測施設を設置して、膨大な量のオープンアクセスできる生物学的データや環境データを作成してきた。これらのデータを効率的に活用するために革新的な計算ツールを分析・作成し、未解決の研究課題に取り組むチームを結集・訓練する必要である。

ESIILはNSFのCyVerse(データ駆動型オープンサイエンス・ワークスペース)と協力し、環境データを多様化するための基本的原則や方法として、インクルージョン(包摂性)を掲げている。また、ESIILは分野横断的協力、イノベーションサミットや地球ハッカソン(アイデア競技イベント)を通じて、研究を促進する。

ESIILの協調型スケーラブル環境(CASE)サイバーインフラは、NSFの国家生態学観測ネットワーク(NEON)、長期生態学研究ネットワーク、海洋観測イニシアチブ、クリティカルゾーン協力ネットワークなどのデータ源に接続することで、科学協力を促進する。また、分析やクラウドコンピューティングばかりでなく、個別対応のユーザー体験も提供する。学習・研究ポータルサイトでのオープン教育リソースにより、ESIILの影響は世界中に拡大する。

ESIILの教育プログラムは、環境データ科学スキルへのアクセスを容易にし、次世代のデータ対応能力を持つ労働力の育成を支援する。「ESIIL Stars」インターンシッププログラムは、オグララ・ラコタ大学、ユナイテッド・トライブス技術大学、メトロポリタン州立大学デンバー校などの最初のパートナー機関とともに、STEM(科学・技術・工学・数学)の過小評価グループ向け機関の学生や教職員を支援する。ESIIL指導者プログラムは、環境データ科学やチーム科学研究におけるリーダーシップ能力を育成することにより、過小評価コミュニティの新進の科学者を支援する。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]