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- 国・地域名:
- フランス
- 元記事の言語:
- フランス語
- 公開機関:
- 経済・財務・産業・デジタル主権省
- 元記事公開日:
- 2022/09/12
- 抄訳記事公開日:
- 2022/09/13
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政府、クラウド戦略の新たな支援メニュー発表
- 本文:
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政府は12日、現在進行中の「クラウド戦略」に関して、新たな支援メニュー5項目を発表した。内容は「新認証システム取得のための中小企業支援」「政府と関係エコシステムの交流改善」などで、官民双方でデジタル変革を加速させる狙いがある。
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クラウド・コンピューティングの分野は経済的なポテンシャルが大きく、欧州全体で見込まれる売上額は欧州全体で5,600億ユーロが見込まれる。このことからフランス政府はかねてから重点分野の一つと位置づけているが、その一方でクラウドは、政治、デジタル両面の主権問題や、フランスの戦略的な自主性の問題もはらんでいる。
こうした主権問題やデータ保護に取り組むため、政府は2021年5月17日にクラウド戦略を発表。現在までに以下三つの柱に落ち着いている。
▽機微に触れるデータを守る「セク・ニュム・クラウド」(SecNumCloud :SNC)認証
▽行政のデジタル変革を優先事項と謳った政府の「クラウド・オ・サントル」(Cloud au Centre:CAC)文書
▽5か年計画「フランス2030」の枠組みにクラウド加速戦略を取り込み、国内の技術開発を支援すること。そのために18億ユーロの投資をすること(うち6億6,700万ユーロは公的機関からの支出、6億8,000万ユーロは民間との共同投資、4億4,400万ユーロはEUからの支出)。こうした取り組みの結果、「SNC」認証は、各プロバイダーによって7種類の製品が世に出て成功を収め、政府機関もデータ処理量が倍増した。さらに「フランス2030」の枠組み(予定)で、すでに約20のプロジェクト3億8,000万ユーロが投資されるなど、一定の成果を収めた。
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それでもまだ不十分であることから、政府は今回、以下の五つのメニューを発表した。
- 中小企業(PME)が「SNC」認証を取得するようフォローすること
- 行政機関がよりスムーズにデジタル移行できるよう、「CAC」文書を強化し明確化すること。
- EUレベルでより高度な規制をかけ、技術変革に見合ったデジタル主権を構築すること。
- 欧州委員会が「欧州の共通利益のための重要プロジェクト」をすみやかに確定し、新しいクラウドが欧州で生み出されるようにすること。
- 「信頼あるデジタル」の戦略委員会により、政府と関係エコシステムの交流を改善すること。
支援メニューを発表したブリュノ・ルメール経済・財務大臣は「われわれは高い目標を掲げているが、それはオープンかつ適時適切な規制の枠組みを構築し、競争とイノベーションを生み出していくためだ」などと語った。
[DW編集局]