[本文]

国・地域名:
フランス
元記事の言語:
フランス語
公開機関:
原子力・代替エネルギー庁(CEA)
元記事公開日:
2022/08/04
抄訳記事公開日:
2022/09/20

CEAと理研、共同研究協定を更新 HPCやAIなどでさらに5年

Point de départ pour cinq années supplémentaires de collaboration sur le HPC et l’IA

本文:

(2022年8月4日付、原子力・代替エネルギー庁(CEA)の標記発表の概要は以下のとおり)

フランス原子力・代替エネルギー庁(CEA)と日本の理化学研究所は、人工知能(AI)やビッグデータ、高性能コンピューティング(HPC)の分野での共同研究の協定を更新した。両機関は5年間、これらの分野での協定を結んでいたが、この関係を継続することになる。

HPCと計算科学に関するCEA‐理研間協定は、2017年1月に締結された。以来、両機関はさまざまな領域 (医療、材料科学、リスク管理など)での科学的応用の開発と最適化、およびスーパーコンピューター技術の向上について協力してきた。

フランスと日本は、HPC、デジタルシミュレーションの基礎、大規模データ処理、さらに現在は科学および産業の競争力と経済成長に不可欠なツールであるAIの重要性について、共通のビジョンを有している。これらの技術を完璧に習得することは、先進国にとっても難しいが、両国は、共にエクサスケール(コンピュータ)の国家プログラムを有し、産業界と学術研究パートナーによるソリューションの共同設計を奨励している。

技術と方法に関する考え方は、主に以下のものが挙げられる。
・プロセッサ用のARMアーキテクチャ
・アーキテクチャ間のオープンで相互運用可能なソフトウェアエコシステム
・産業技術プロバイダとの共同設計とパートナーシップ
・ユーザ・コミュニティの展開

取り組みを共有することで、開発の加速、展開の拡大、人材・スキルの開発が可能になる。本協定は、特にオープンソース・ソフトウェア・コンポーネントの開発を対象としており、ARMだけでなくx86アーキテクチャ上のハードウェア、ソフトウェア、アプリケーションの開発者に利益をもたらすように編成されている。

協定の第2段階である2022~26年のテーマのほとんどは、第1段階のテーマの延長であるが、量子コンピューティングなど新たなコンピューティングアーキテクチャおよびパラダイム関連分野の共通の関心事項について、一部、調整と追加が行われた:

・人材育成とスキル:
学校、実践的なプログラミングセッション、スタッフと学生の交流などの開催
・運営とシステム管理:
以前のテーマの実行支援とスケジュール管理
・プログラミングとツール:
以前の作業の継続および拡張
・量子コンピューティング:
量子ビット技術、使用事例と応用、HPC環境での量子コンピューティングシステムの展開とシミュレーションの探究
・AIとビッグデータ:
膨大なデータの活用とデータに基づく新しいモデル設計の探究
・新しいアーキテクチャの評価:
ARM-SVEに関する作業継続および新しいハイブリッド・高速アーキテクチャの探究
・科学的・社会的可能性を持つアプリケーションの開発:
DFT、QM/MM、HPCの地震解析への応用研究の継続および他の分野への応用

本協定には、HPC、AI、ビッグデータの60人を超える研究者が関与し、半年ごとに日仏で交互に開催されるセミナーで、チームが一堂に会する。この日仏の研究者間の協力は、既にコンピュータサイエンスにおける多くのブレークスルーと独創的な発展をもたらし、今後5年間も続くことが期待される。6月2日と3日の両日には、協定更新後初となるセミナーが、パリ郊外のサクレーで開催されている。

[DW編集局+JSTパリ事務所]