[本文]

国・地域名:
英国
元記事の言語:
英語
公開機関:
英国宇宙庁
元記事公開日:
2022/08/25
抄訳記事公開日:
2022/09/29

アルテミス計画における英国の役割

The UK in Artemis

本文:

(2022年8月25日付、英国宇宙庁の標記発表の概要は以下のとおり)

■アルテミス計画

NASA のアルテミス計画は、2025 年までに初の女性と初の有色人種を月面に着陸させることを目標にしている。火星への有人ミッションの足がかりとなる月面での持続的な存在を達成するため、国際的な官民のパートナーが協力する。2022年12月には、アポロ17号による月面着陸から50年となり、アルテミス計画は、有人宇宙探査の次の章に入る。

■アルテミス I

このミッションでは、新しいスペース・ローンチ・システム (SLS) による最初のロケット打ち上げが行われ、NASAが製造したオリオンカプセルと、オリオンと同じエンジンを搭載した欧州宇宙機関(ESA)製のサービスモジュールを月に送る。

アルテミス I は、ますます複雑化するミッションの第一段階であり、2024年に予定されている有人飛行に先立って実施される、最初の無人飛行である。

■アルテミスへの英国の関与

世界中のパートナーの月への新たな関心の高まりは、英国に大きなチャンスをもたらしている。月関連ビジネスは、今後10年間に立ち上がることが見込まれ、直近のPwCの調査では、2040年までに1,700億ドル(1,440億ポンド)に達すると推定されている。英国は、この機を逃さず、この革新的な共同体の中で前向きな考えを持って役割を果たして行く。

我々は、コーンウォールのグーンヒリー地上局からアルテミスIミッションを追跡できるようになる。これは、英国の月との実用的な通信能力構築において大きな一歩である。

英国は、アルテミス計画の一環で、現在開発中の月を周回する宇宙ステーションLunar Gatewayに重要な貢献をしている。Thales Alenia Space UK社は、ゲートウェイに燃料補給モジュールを提供しており、将来の月でのミッションを支援する。また、Surrey Satellite Technology Ltd社のLunar Pathfinder探査機は、2025年から月面での通信・ナビゲーションサービスを提供する。他にも、英国企業は、NASAの商用月面輸送サービス (CLPS)ミッションに関与している。

2020年、英国はNASAおよび世界中のパートナー宇宙機関と共にアルテミス協定に署名した。米国は、日本、オーストラリア、カナダ、イタリア、アラブ首長国連邦など他の宇宙開発国とともに、英国と協力して、アルテミス協定を取りまとめた。本協定は、安全な運用、宇宙資源の活用、宇宙デブリの最小化、科学データの共有に関する共通の理解を確実なものとする一連の原則となっている。

■月に関する英国のその他の活動

・Imperial College Londonは、欧州放射線センサアレイ(European Radiation Sensor Array)の一部として、Lunar Gatewayに磁力計を提供している。
・オックスフォードシャーにあるMDA社は、米国企業Intuitive Machines社の最初の商用月面着陸船に着陸センサーを提供している。
・the Open Universityは、月の表面近くの非常に薄い大気を研究するためのPROSPECTイオントラップ型質量分析計 (PITMS)を、米国企業Astrobotic社の2022年型月面着陸船用に開発している。

[DW編集局]