[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
大統領府科学技術政策局(OSTP)
元記事公開日:
2022/08/02
抄訳記事公開日:
2022/09/30

第8回国家AI研究リソース(NAIRR)タスクフォース会議の報告

Readout of the Eighth National Artificial Intelligence Research Resource (NAIRR) Task Force Meeting

本文:

(2022年8月2日付、大統領府科学技術政策局(OSTP)による標記発表の概要は以下のとおり)

国家AI研究リソース(NAIRR)タスクフォースは、実施ロードマップ、将来のガバナンス体制、リソースの統合計画について議論した。また、AI研究のための計算資源およびデータ資源を支援する他国の取り組みから得られる教訓を学び、協力の機会を探るため、国際的な専門家パネルとも協議を行った。

7月25日、同タスクフォースは8回目となる公開会議を開催し、国家サイバーインフラ構築の実行計画とロードマップ策定について議論した。このサイバーインフラでは、米国内各地のあらゆる専門的背景を有する研究者と、AI研究とイノベーションを促進するリソース(計算機、データ、テストベッド)とをつなぐことができる。幅広い研究者に参加機会をもたらす最先端AIの公平なインフラを構築することにより、NAIRRは、全米のAI能力を高め、責任あるAI研究開発を支援し、もってイノベーションを促進し、この重要な技術分野における米国の長期的な競争力を確実なものとすることができる。

2022年5月25日に大統領と議会に対して中間報告書を発表して以来、初めて開催されたこの会議では、NAIRRのビジョンを実現するために「何をするか」から「どのようにするか」へ議論の焦点を移した。

タスクフォース共同議長である、リン・パーカーOSTP国家人工知能イニシアチブ室長、マニッシュ・パラシャール国立科学財団(NSF)先端サイバーインフラストラクチャー室長は、冒頭で中間報告書の発表後に行われた関係者の一連の活動の概要を説明した。一般市民が参加した2022年6月23日の公聴会、市民社会等の関係者から寄せられた回答、連邦政府全体の省庁代表者による対話も紹介された。

タスクフォースは、「NAIRRの立ち上げ、資金調達、維持、そして持続のためのロードマップ」、「オーナーシップ、運営、責任ある研究管理」、「計算資源、データ資源、およびこれらの資源の技術的統合」の3つの中心的な要素について議論した。NAIRRの予算を見直し、米国の競争力を高め、国全体のAIの能力を向上させるという最終目標の実現に向けて調整し直す必要性を提起した。リソース、特にデータセットをNAIRRに含めるための基準を設定する重要性も提起された。さらに、「半導体・科学法(CHIPS and Science Act 2022)」で承認された国家安全データサービスパイロット開発の一環として、許可を受けた研究者が利用できる、プライバシー保護や機密データの扱いなど、他の関連する進行中の取り組みと、NAIRRを調和させていく必要性も指摘された。タスクフォースはまた、NAIRRの論理モデルの構築についての話し合いを続け、タスクフォースが描くNAIRRの構造を制度化するために、法律上や規則上の権限の必要性、内容についても検討を開始した。

同タスクフォースには、計算・データ資源の提供を通じてAI研究を支援する他国から、同様の考え方を持つ著名な派遣団がブラジル、カナダ、フランス、日本、経済開発協力機構(OECD)および英国などから参加した。次回は、2022年9月12日に開催する予定である。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]