[本文]
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- 国・地域名:
- フランス
- 元記事の言語:
- フランス語
- 公開機関:
- 高等教育・研究省(MESR)
- 元記事公開日:
- 2022/09/05
- 抄訳記事公開日:
- 2022/10/25
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南仏の大学病院研究所、ガバナンス不徹底で検察に問題付託へ
- 本文:
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(2022年9月5日付、高等教育・研究省(MESR)の標記発表の概要は以下のとおり)
フランスの臨床医学研究拠点「大学病院研究所」の一つ、南部マルセイユの「地中海感染症大学病院研究所」(IHU-MI)について、高等教育・研究大臣と保健・予防大臣は、教育・スポーツ・研究監督局と社会問題監督局による共同査察を行った。その結果、ガバナンスが徹底されていないなどとして、内部で行われている慣行の一部を検察当局に付託した。IHU-MIはかねてから不適切な慣行が指摘されていたが、今回改めて、研究の面でも組織運営の面でも深刻な機能不全が浮き彫りになった格好だ。
公開された最終報告書では、IHU-MIについて、▽「内部で不適切な医学的・科学的慣行が広まっている(現行法令に準拠しておらず、特に研究プロトコルにおいて患者の健康リスクを引き起こす可能性あり)」▽「管理業務における逸脱がみられる(職場での嫌がらせや不快感を引き起こす可能性あり)」▽「ガバナンスが徹底されていない(科学協力の基盤を管理する規則が厳密に遵守されていない)」▽「財政状況が悪化している」――といった問題点が指摘されている。
一部の慣行については、医療や研究の観点から犯罪または規則の重大な違反にあたる可能性が高いため、両大臣は、刑事訴訟法第40条に基づき、マルセイユの検察当局に付託。裁定は裁判所に委ねられることになる。
さらに両大臣は近日中に、IHU-MIを創設した機関の幹部やIHU-MIの院長を召喚し、両監察機関が報告書で指摘事項を踏まえて実効性のある行動計画を早く実施するよう求める。行動計画や規制の遵守の状況は、両省による定期的なチェックの対象となり、IHU-MIの活動の継続と国による資金支援の条件となる。
[DW編集局+JSTパリ事務所]