[本文]

国・地域名:
EU
元記事の言語:
英語
公開機関:
欧州イノベーション会議(EIC)
元記事公開日:
2022/09/29
抄訳記事公開日:
2022/10/26

欧州イノベーション会議(EIC)基金が全面運用開始へ

European Innovation Council Fund set to be fully operational

本文:

(2022年9月29日付、欧州委員会の標記発表の概要は以下のとおり)

欧州委員会は、EIC 基金の再編において大きな一歩を踏み出し、これまでにEIC投資対象として選ばれた139の新興企業および中小企業への投資決定を行う外部ファンドマネージャーを任命した。これによりEICは、欧州で最も有望な新興企業に助成金、投資、事業加速サービスを組み合わせた独自のサービスを提供するための本格的な活動を開始したことになる。

外部のファンドマネージャーであるAlter Domus Management Company S.A.が、EICアクセラレータ(EIC Accelerator)の厳格な選抜プロセスと欧州投資銀行によるデューデリジェンスに従って、リスクは高いがインパクトの大きい企業に対する投資決定を行う責任を負う。ファンドマネージャーは、EIC基金の投資ガイドラインに従うとともに、専門家諮問委員会からの助言も受ける。最初の投資決定は10月中に行われ、その他の投資決定も今後数か月以内に完了予定である。

一方、選抜された企業が支援助成金を迅速に受け取れるようにするための大きな進捗もあった。数週間前に100件であった助成金契約は、本日現在、150件に達している。欧州委員会は、意思決定簡素化のさらなるステップとして、原則としてEICアクセラレータの助成金については欧州委員協議会レベルの承認を不要とする。これにより、企業が申請してから最初の助成金を受け取るまでの期間が、EIC理事会が定めた5か月という目標に近づいていく。

■EIC基金はどのように機能するか

▽EIC基金は、代替投資基金(AIF)として再構築されており、投資は、代替投資基金ファンドマネージャー(AIFM)によって決定、管理され、AIFM 指令に完全準拠した形で行われる。
▽ファンドマネージャー は、助成金と出資の両方または出資のみを受けるためにEICアクセラレータの評価プロセスを通じて選抜された、すべての新興企業・中小企業に対する投資決定を行う。企業の選定は、イノベーションの画期的な特性(特に「ディープテック」)、スケールアップの可能性、民間投資家には高すぎるリスク、などの基準に基づいて行われる。投資決定は、欧州投資銀行(EIB)が実施するデューデリジェンスに従い、EIC基金の投資ガイドラインに沿ったものである必要がある。
▽EIC and SME Executive Agency (EISMEA)は、引き続きEICアクセラレータに関する申請・評価プロセスの管理、選抜された企業に対する助成金と事業促進サービスの提供、EIC基金投資との連携による企業の成功機会の最大化などの業務を行う。EIC理事会は、EICの戦略と実施に関して独立した高レベルの助言を行う。

[DW編集局]