[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
フラウンホーファー協会(FhG)
元記事公開日:
2022/09/27
抄訳記事公開日:
2022/11/02

フラウンホーファーが韓国と新しい水素イノベーション・プラットフォームを構築

Neue Fraunhofer Innovation Platform für Wasserstoff in Südkorea

本文:

(2022年9月27日付フラウンホーファー協会(FhG)による標記報道発表の概要は以下のとおり)

フラウンホーファー材料・システム微細構造研究所(IMWS)は、2020年から韓国の科学者と共に、グリーン水素の輸入に関する問題を研究している。韓国エネルギー工科大学(KENTECH)にあるフラウンホーファー水素エネルギー・イノベーション・プラットフォーム(FIP-H2ENERGY@KENTECH)を通して、韓国のパートナーとの緊密な協力関係の基礎が築かれている。本協力は、2022年9月27日にベルリンで開催された第3回ドイツ韓国水素会議で調印されたものである。

グリーン水素の利用可能性は、経済の脱炭素化の道程において、重要な役割を果たす。水素の需要は世界中で大きく伸びると予想されており、ドイツや韓国など水素需要が国内の生産能力を上回る国々は、輸入に依存することになる。両国は同様の技術的課題に直面している。フラウンホーファーIMWSと他の5つのフラウンホーファー研究所は、最初の5年間は、KENTECHの韓国人科学者と協力して、水素バリューチェーン全体に沿った技術開発に取り組む。

FhGのライムント・ノイゲバウアー(Reimund Neugebauer)会長は次のように述べた。「長期的に国際競争を勝ち抜き、水素時代のサプライヤーとなるためには、同等のレベルの技術を持つ国々との協力や技術パートナーシップが不可欠である。韓国とドイツの間でのユニークな協力とイノベーション・プラットフォームを確立し、拡大させることに成功したことを非常にうれしく思っている」。

フラウンホーファーIMWSは、このプロジェクトの主要な機関であり、プロトン交換膜(PEM)電解および太陽光発電による水素製造のための、材料特性評価と開発の分野における専門知識で貢献している。フラウンホーファーの他の5つの研究所の参加により、これらの参加機関が持つ非常に異なる能力を、この幅広い技術分野で束ねることができる。

応用エネルギー科学に重点を置いた新設のKENTECHは、今後数年間で韓国の水素研究をリードする研究所となり、主に水素液化の分野での経験で、共同研究に貢献することになる。科学者たちは水素物流というテーマで協力する。グリーン水素の生産、変換、液化、輸送、利用など様々な側面に焦点を当てる。

FIP-H2ENERGY@KENTECHは、海外の大学や研究機関が、ドイツのフラウンホーファー研究所と密接に協力して設立する一時的な研究ユニットである。この目的は、科学研究成果の価値設定化、移転、商業化への共同アプローチを促進し、相乗効果を活用して新しいビジネスモデルを開発し、競争上の優位性を確立することである。

[DW編集局]