[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
国立標準技術研究所(NIST)
元記事公開日:
2022/09/13
抄訳記事公開日:
2022/11/04

NISTとGoogleが大学や新興企業向け半導体チップの共同開発を開始

NIST and Google to Create New Supply of Chips for Researchers and Tech Startups

本文:

(2022年9月13日付、国立標準技術研究所(NIST)の標記報道発表の概要は以下のとおり)

NISTは、研究者が新しいナノテクノロジーや半導体デバイスの開発に利用できる半導体チップを開発・製造するため、Googleと共同研究開発契約を締結した。

この半導体チップは、SkyWater Technology社のミネソタ州のブルーミントン工場で製造される。Googleは、生産開始の際の初期費用を負担することで、初回生産分の費用を援助する。NISTは、大学の研究協力者と共同で半導体チップの回路を設計する。なお、設計はオープンソースとし、大学や中小企業の研究者が、制限やライセンス料なしに半導体チップを使用できるようにする。

半導体を設計・製造する大企業はこうした半導体チップを容易に入手できるが、数十万ドルに上るコストがかかるため、大学や創業企業の研究者によるイノベーションの大きな障害となっている。今回の共同研究では、生産量を増やして規模の経済を実現しライセンス料を不要とする法的枠組みを導入することにより、これらの半導体チップのコストを大幅に下げることが期待される。

SkyWater社の半導体工場は、ウエハーと呼ばれる200ミリの円盤状のシリコンを製造し、大学や他の購入者がそれぞれの加工施設でチップに切り分けられるようにする。

200mmウエハーは、大半の半導体工場の製造ロボットと互換性のある業界標準フォーマットである。研究者がこのフォーマットの半導体チップを入手できるようにすることで、設計や新技術の試作が可能になり、開発成功後に迅速に生産に移行できるため、研究室から市場への技術移転が加速されることになる。

半導体チップ設計に貢献する協力機関には、ミシガン大学、メリーランド大学、ジョージワシントン大学、ブラウン大学、カーネギーメロン大学などがある。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]