[本文]

国・地域名:
英国
元記事の言語:
英語
公開機関:
英国宇宙庁(UKSA)
元記事公開日:
2022/10/17
抄訳記事公開日:
2022/11/16

ESAへの英国投資のインパクト評価

Impact evaluation of UK investment in ESA (executive summary)

本文:

(2022年10月17日付、英国宇宙庁(UKSA)の標記発表の概要は以下のとおり)

欧州宇宙機関 (ESA) は、宇宙に関する英国政府の目標を達成するための重要なルートであり、英国の宇宙への公共投資のかなりの部分がESAを通じて行われている。毎年、英国宇宙庁の年間予算の約75%がESAに割り当てられている。

2019年11月のESA閣僚理事会(CMIN19)で合意された現在の5年間の投資期間内で、英国の年間4億2,000万~4億5,000万ユーロの貢献は、ESAの年間予算50億ユーロの約10%に相当する。英国は現在、フランス、ドイツ、イタリアとともに、ESAの上位4貢献国の1つである。

英国宇宙庁は、ESAを通じて行われる英国の投資が適切に評価される取り組みを行っており、監視と評価(M&E)枠組みの策定と実施は、CMIN19で行われた英国のESAへの資金提供参画の条件であった。またそれは、英国宇宙庁の2020/21年度事業計画による取り組みでもある。

■これまでの主な成果

・新たな知識

科学的なインパクトが期待されているが、まだ実現していない。科学(Science)、地球観測(EO)、 ヒト・ロボット探査(HRE)の各プログラムが、地球、太陽系、宇宙に関する新しい知識を生み出すことを目的とした宇宙ミッションを支えている。CMIN19 期間中に展開されるミッションからの科学的インパクト (新たな知識) の大部分は、ミッションが開始されて観測が実施されるまで発生しない。

本調査で収集されたベースラインデータによると、英国のESA関連の宇宙発表論文の大部分(84%)が「科学プログラム」から産生しており、英国の発表論文の量(論文数)と質(引用数)が向上していることを示している。さらに、英国は国際共同発表の割合においても優れた実績を上げており、投資額1ポンドあたりの発表数は、他の主要な宇宙開発国と比べても遜色ない。

・イノベーション

特定のESAミッション向けの革新的な宇宙船、構成部品、システムの開発から、今後の ESAミッションを長期的に支援する可能性のある革新的な技術の探索、宇宙インフラの革新的応用の開発まで、ESA契約によって支援される幅広いイノベーション活動は多岐にわたる。

契約の多くはまだ進行中であるが、技術完成度の向上、新製品・サービス、スキルの進歩に関して、幅広い直接的な成果がすでに生み出されている。特許やスピンアウトに関する実績はかなり限られているが、研究開発・イノベーション活動において予想されるタイムラグの範囲内である。

ESAとの契約は、共同研究と新たな戦略的パートナーシップを支援してきた(そして今後も引き続き支援する)。現在のESA契約は、多数の共同研究を直接支援している。契約企業の88%が、少なくとも1つの共同研究を報告している。さらに、契約企業の3分の1(34%)は、ESA契約の結果として、欧州内外で新たな戦略パートナーシップを結んだと報告している。

初期のイノベーションの成果は、英国の宇宙産業の初期の経済的利益につながっている。ESA契約企業の32%が、契約内で開発された製品、サービス、機能からすでに達成された売上を報告しており、その売上は雇用の創出・維持につながったとしている。60%が今後の継続的な売上を期待している。

上記のほか、次のような効果について記述されている。

・グローバルな影響力
・セキュリティと保護
・ネットゼロへの貢献
・レベルアップに貢献
・経済的評価

[DW編集局]