[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
大統領科学技術諮問会議(PCAST)
元記事公開日:
2022/09/20
抄訳記事公開日:
2022/11/25

PCAST、米国半導体エコシステムの活性化に関する報告書を発表

PCAST Releases Report on Revitalizing the U.S. Semiconductor Ecosystem

本文:

(2022年9月20日付、大統領科学技術諮問会議(PCAST)による標記発表は以下のとおり)

PCASTは、米国半導体エコシステムの長期的な健全性と競争力を確保するための10のアクションを勧告する。本日発表された新しい報告書は、PCASTが先月バイデン大統領に宛てた書簡で発表したハイレベルの勧告をさらに広げたものであり、「半導体・科学法」(CHIPS and Science Act)を通じて半導体の研究開発に割り当てられた110億ドルを最大限に活用するために政府が取れる行動を明らかにしている。

同報告書は、商務長官が、全米半導体技術センター(National Semiconductor Technology Center: NSTC)の設立に際して、広く政府、産業界、学界からの参加を得た包摂的なものとすること、そして半導体の能力拡大における重要技術の前進に沿った6つの分散した卓越連合の創設によって地理的な包摂性も確保することを勧告している。また、学生が半導体エコシステムにおいて、高需要で、高収入の仕事で幅広く活躍できるようにするための教育と訓練の機会を作る必要性も強調している。そのため国は、あらゆる種類の教育機関の学生にアプローチして、幅広く多様な労働力を構築するための積極的な努力が必要であるとしている。

短期的には、PCASTは、NSTCが5億ドル程度の投資基金を立ち上げ、半導体の新興企業に対して、財政支援とプロトタイピングのための施設やツールなど現物へのアクセスを提供することを勧告している。さらにNSTCは2025年までに、「チップレット(一般的・非革新的なパーツからなる集積回路)プラットフォーム」の創設または資金提供を行い、新興企業や学術研究者が、より迅速にイノベーションを起こし、開発コストを大幅に削減できるようにする必要がある。

長期的には、PCASTは、国家研究アジェンダで特定された優先課題に資金全体の30~50%程度を充て、利害関係者の関与を得て、全国規模の協力が有効な以下の3つの補完的分野にまたがる一連の課題に取り組むことを勧告している:

1.ゼタスケール時代を見据えた高度なコンピューティング
2.設計の複雑さの大幅な低減
3.ライフサイエンス用途の半導体の普及

[DW編集局+JSTワシントン事務所]