[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
マックスプランク協会(MPG)
元記事公開日:
2022/09/30
抄訳記事公開日:
2022/12/01

マックスプランクの「化学変革センター」構想が新大規模研究施設に選定

Neues Großforschungszentrum mit Max-Planck-Prägung

本文:

(2022年9月30日付、マックスプランク協会(MPG)による標記発表の概要は以下のとおり)

「知が地域の未来の展望を創り出す」というテーマのコンペティションで、MPGの研究者による提案が受賞した。連邦教育研究省、自由都市ザクセンとザクセン・アンハルト州は、約100件の提案の中から、2つの新しい大規模研究センターの1つに、「化学変革センター(CTC)」を選定した。CTCの目標は、化学産業を持続可能な循環型経済に転換することである。CTCの構想は、MPGのコロイド界面研究所のペーター・ゼーベルガー(Peter H. Seeberger)とマテュー・プルチャック(Matthew Plutschack)によって提案された。

化学産業はドイツで最も重要な産業分野の一つであり、他の多くの経済分野のバリューチェーンの基礎となっている。今日でも化学産業は、製造工程のエネルギー源として、また原料の供給元として、化石原料に極めて依存しており、ほとんどの化学製品は原油を原料としている。そのため、化学製品の生産は、価格高騰やサプライチェーンの不確実性に伴う危機に対して脆弱なものとなっている。

ゼーベルガー所長は「ドイツ経済全体の供給と機能を確保するためには、原料、プロセス、製品を見直し、二酸化炭素や有害廃棄物と排水を大量に排出するこれまでの線型的な化学産業を、長期的にレジリエントな循環型の経済として確立することが急務である」と説明した。従ってCTCの目的は、主に再生可能な原材料やリサイクルされた材料をもとに、費用対効果が高く持続可能な生産プロセスを開発することである。また、最高の労働安全衛生と環境基準を遵守し、輸送経路を大幅に短縮することも必要である。

さらに所長は、「このような取り組みは、世界中の産業界と科学界において行われているが、これに匹敵する研究センターは見当たらない。この大規模研究センターは、世界的に際立つ最先端の研究の道標となり、中央ドイツの石炭地域における開拓やスピンオフの種となるだろう」と述べた。

■中央ドイツの化学工業三角地帯の伝統を継承

CTCは、ライプチッヒの北約20キロメートルのデーリッチュ(Delitsch)に建設される。化学工業三角地帯と言われるハレ・メルゼブルク・ビターフェルト地域に位置し、長い伝統受け継ぐものとなる。

CTCは緊密な学際的協働により、研究と産業における化学の変革を促進するとともに、新たな研究、トレーニングやさらなる教育の提供も行なう予定である。

「石炭地域構造強化法」に基づき、中央ドイツの石炭地域とザクセン州のラウジッツ地方に大規模な研究センターが設立され、年間最大1億7,000万ユーロの資金が提供される。その目的は、段階的脱石炭後の地域の構造変革を未来志向の形で成し遂げ、科学とイノベーションの拠点としてのドイツを強化することである。

[DW編集局]