[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
大統領府
元記事公開日:
2022/10/07
抄訳記事公開日:
2022/12/06

バイデン大統領がEU・米国のデータプライバシー枠組み実施の大統領令に署名

FACT SHEET: President Biden Signs Executive Order to Implement the European Union-U.S. Data Privacy Framework

本文:

(2022年10月7日付、大統領府による標記発表の概要は以下のとおり)

本日、バイデン大統領は、2022年3月にバイデン大統領とフォン・デア・ライエン欧州委員会(EC)委員長が発表した、「欧州連合(EU)・米国データプライバシー枠組み(EU-U.S. DPF)」に基づく米国の約束を定めた「シグナルインテリジェンス活動(通信を傍受・盗聴してその内容を解析する諜報活動)に対する保護強化」に関する大統領令に署名した。

大西洋両岸を結ぶデータ流通は、7兆1,000億ドルのEUと米国の経済関係の維持に不可欠である。EU-U.S. DPFは、EU司法裁判所が当時EU法の下で有効なデータ移転メカニズムであった、EU・米国プライバシー・シールドを無効と判断した際に提起された懸念に対処し、このデータ流通の法的基盤を再構築するものである。

大統領令は、シグナルインテリジェンス活動に対する、一連の市民のプライバシーと自由の保護を一層強化している。大統領令で規定された、適格な州や地域経済統合機関の属する個人が、自らの個人データが、米国法に違反する方法でシグナルインテリジェンス活動によって収集されたと考える場合、救済を求めることができる、独立した拘束力のある仕組みが創設された。

米国およびEUの企業は、規模を問わずあらゆる部門において、デジタル経済への参加と経済的機会の拡大のために、国境を越えたデータ流通に依存している。EU-U.S. DPFは、大西洋を跨ぐデータ流通に信頼と安定を取り戻すための米国とECの努力の賜物であり、共通の価値観に基づく永続的なEU-米国関係の強さを反映している。

大統領令の要点は以下のとおり:

▽シグナルインテリジェンス活動の制限(国家安全保障の目的に限定、市民のプライバシーと自由への配慮、適正な方法による適正な程度の調査)
▽シグナルインテリジェンス活動を通じて収集された個人情報の取り扱い要件の義務化、法律・監視・コンプライアンス担当責任者の責任拡大
▽各情報機関の方針や手順への本大統領令の反映の徹底
▽シグナルインテリジェンス活動による個人情報の違法な収集・取扱に対する審査と救済の仕組みの創設
▽プライバシーおよび市民的自由権監視委員会(Privacy and Civil Liberties Oversight Board)による、各情報機関の方針・手順の大統領令への適合確認

これらの措置は、ECに妥当性判断の新たな根拠を与え、EU法に敵うアクセス可能で安価なデータ移転の仕組みを再構築することになる。また「標準的契約条項」、「拘束的企業準則」を設けることにより個人データを米国に移転するEUの企業にとってより確実性の高い法的な基盤を提供することになる。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]