[本文]

国・地域名:
韓国
元記事の言語:
韓国語
公開機関:
科学技術情報通信部
元記事公開日:
2022/10/13
抄訳記事公開日:
2022/12/07

量子技術者確保が急務、2030年までに専門研究者1,000名確保に着手

양자 기술 인재 확보 시급, 2030년까지 전문인력 1,000명 확보 전략 마련 착수

本文:

(2022年10月13日付、科学技術情報通信部の標記発表の概要は以下のとおり)

国家経済・安保のために独自技術の確保が急がれる現在、戦略技術の技術革新を主導するために優秀な研究者の確保は避けて通れない課題である。そして、各技術分野の状況に応じて研究者政策を推進していくためには、官民が緊密に連携を取って政策を立案していかなければならない。以上のような認識の下、科学技術情報通信部は、各技術分野の研究者の現況を分析・共有し、現場の意見をまとめて今後の人材政策課題を明らかにしていくため、協議会を開催していくこととした。このような方針を受けて、同部は2022年10月13日に「第1回戦略技術(量子技術)人材政策協議会」を開催し、また「量子大学院・気候技術研究者養成センター開校式」をとりおこなった。

第1回協議会のテーマには、2022年ノーベル物理学賞受賞分野であり、韓国が早急にキャッチアップしていくことが求められている量子技術分野が設定された。協議会には、産業界、韓国量子情報学会、各種研究機関の関係者が出席し、国内外の量子研究者の現況を分析した結果を共有するとともに、今後の研究者確保のための政策について議論した。協議会では、量子関連論文の筆頭著者・責任著者の分析結果から、韓国人研究者数は500名程度であり、米国人3,100名、日本人800名などと比べて絶対数が不足していることが明らかにされた。重点技術別の研究者数は、量子コンピューティング261名、量子通信187名、量子センシング42名であった。量子関連の米国特許を出願した韓国人研究者は100名程度であり、量子コンピューティング25名、量子通信68名、量子センシング7名程度であった。米国、中国などが熾烈な研究者確保競争を繰り広げる中、米国など海外で活動している在外韓国人研究者は50名程度であった。同部は、今後政策課題を具体化し、12月までに量子分野の中心的研究者を確保するための方策を提示する予定である。

また、同部は、従来から量子分野研究者の底辺拡大と研究生態系活性化のために、量子通信・センシング・コンピューター・素子の4大分野の大学情報通信技術研究センター(ITRC)を運営してきたが、今年からこれに加えて、博士レベルの研究者の養成を目標として、大学(院)連合量子大学院事業を展開する。同事業は、2022年から2024年まで、毎年1つずつ大学連合を選定・支援していくものである。協議会に先立って、今年選定された高麗大学校主管の9大学連合量子大学院の開校式がとりおこなわれた。同大学院では、今後9年をかけて量子専門教育課程(修士・博士)を運営し、180名以上の博士レベルの研究者を輩出することを目標としている。このほかにも、量子技術分野の新進研究者が、指導者レベルにまで成長することができるよう支援する体制の構築を検討している。さらに、量子分野の世界レベルの研究者を誘致するため、従来の海外優秀科学者誘致事業を拡大していく。

また、気候変動対応技術分野の中核技術開発および修士・博士級研究者養成機関として、気候技術人材育成センターが設立された。同センターは、炭素中立関連技術の研究者と韓国の炭素中立達成に寄与する研究者を育成することを目標としている。具体的には、水素分野の研究者を育成する先導型センター(仁荷大学校主管4大学連合)と、技術の海外展開に関する専門研究者を育成する展開型センター(高麗大学校主管3大学連合)が選定された。これらのセンターでは、3年間で計120名以上の専門研究者が育成されることになっている。

[DW編集局]