[本文]

国・地域名:
中国
元記事の言語:
中国語
公開機関:
国家自然科学基金委員会(NSFC)
元記事公開日:
2022/10/09
抄訳記事公開日:
2022/12/09

「双炭」目標下の水素製造・水素貯蔵基礎研究プロジェクトの通知

关于发布工程与材料科学部“双碳”专项项目(一)―-“双碳目标下制氢储氢基础研究”项目指南的通知

本文:

2022年10月9日付、国家自然科学基金委員会による通知の概要を一部抜粋にて紹介する。

中国国家自然科学基金委員会の工学・材料科学部は、国家戦略目標である「カーボンニュートラル」の基礎研究を推進するため、「双炭」(カーボンピークアウト、カーボンニュートラル)特別プロジェクト(1)を開始する。本プロジェクトは、低/ゼロ炭素の水素製造と地下大容量水素貯蔵の核心的科学課題に取り組み、水素製造と脱炭素エネルギーシステム、再生可能エネルギーによる水素製造、高効率地下水素貯蔵技術開発のための理論基盤を構築し、「双炭」目標の実現を推進する学際的研究を実施するものである。

一.科学的目標
本プロジェクトは、化石燃料からの低エネルギー水素製造、再生可能エネルギーによる水素製造システムにおける電源負荷変動対応・制御および地下多孔質貯留層への高効率水素貯留に焦点を当てている。水素製造と炭素回収の相乗的変換から始め、化石燃料からの低エネルギー消費水素製造の新たな方法の探求、水素製造と炭素回収におけるエネルギー消費低減、再生可能エネルギー直流オフグリッド電力による水素製造システムの信頼性と効率の向上、地下多孔質貯留層の中における水素ガスの輸送法の特性究明と効率の向上を目指す。

二.資金助成の方向性
(一)水素製造と炭素回収の相乗的変換
化石エネルギーからの水素製造における化学エネルギー源におけるCO2回収メカニズムの解明、化石燃料水素製造と炭素回収の相乗的変換理論と不可逆的損失低減法の提案、水素製造と炭素回収の結合法の検証により、水素製造と炭素回収のエネルギー消費を大幅に低減する。
(二)オフグリッドの再生可能エネルギーによる水素製造における電気力の送電と変電
変動する再生可能エネルギー直流オフグリッド電力による水素製造システムにおけるエネルギー送配電ルールと、直流ネットワークにおける電源-水素インターフェース過渡電磁結合のメカニズム解明、再生可能エネルギー直流オフグリッド水素製造システムのトポロジー構築方法と高速協調保護制御メカニズムの提案により、再生可能エネルギー直流オフグリッド大規模水素製造システムの高効率化と信頼性の向上を目指す。
(三)地下多孔質貯留層中の水素ガスの輸送と制御
水素と地下多孔質貯留層流体の多相・多成分物質移動と輸送のメカニズム解明、異なる地層深度と圧力の下における水素-地層流体-岩石-微生物の化学反応と流動物質移動の結合機構の解明により、地下多孔質貯留層における水素発生・輸送の予測方法と損失低減法を提案する。

三.資金助成の期間と額
本プロジェクトの資金助成期間は3年で、研究期間は2023年1月1日~2025年12月31日、プロジェクトあたりの平均助成額は約300万元で、3~4プロジェクトに資金助成を行う予定である。

四.応募条件と注意事項
(一)応募資格
1.基礎研究プロジェクトの実施経験があること
2.上級の専門職や技能職の職責(肩書)を持っていること。
ポスドク、大学院生機関や企業に所属していない人は応募できない。

[DW編集局]