[本文]

国・地域名:
フランス
元記事の言語:
フランス語
公開機関:
高等教育・研究省
元記事公開日:
2022/12/07
抄訳記事公開日:
2022/12/12

「大学イノベ拠点」20か所増強へ 提案公募を開始

Succès de l'expérimentation des Pôles universitaires d’innovation : l’État consacre 160 millions d’euros pour un déploiement national

本文:

 フランス政府は、大学を拠点に科学技術イノベーションのエコシステム形成・強化を図る「大学イノベーション拠点」(PUI)の増設を決めた。プロジェクトの提案公募を7日に始めた。5か年投融資計画「フランス2030」の枠組みで、既設の拠点に加え、さらに20拠点を増やすという。

 この公募は、首相府投資総務庁、経済・財務省、および高等教育・研究省の各省庁が共同で実行する。PUIは、もともと2021~30年期に国の研究予算の中期的な増額を目指す複数年研究計画法の枠組みで、2021年から実験的に5拠点(クレルモン・オーヴェルニュ、ノルマンディー、ソルボンヌ、ストラスブール、モンペリエの各大学)が設置されている。研究、教育、技術移転、起業支援などの関係機関や企業などの協業を強化することが目的で、各拠点では、ラボ発のイノベーションを興し、特にディープテックの起業を通じてそのインパクトを最大化することを目指している。

 関係する人材や、既存の機関、ツールなどを結集させるエコシステム形成の取り組みは2010年から始まっており、さらに19年のディープテック計画によっても推進されてきた。だがPUIは、地域レベルで形成されてきたエコシステムにさらに投資することで、技術移転や起業、あるいは民間企業との協業を強化する狙いがある。こうした実験を経ての、今回の公募開始となった。

 政府は、複数年法とフランス2030の両方により1億6,000万ユーロを投資。公共投資銀行や国立研究機構がその運用を担い、公的研究機関と社会一般の間で人材流動の促進や関係の重層化を図る。

[DW編集局]