[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
大統領府
元記事公開日:
2022/10/11
抄訳記事公開日:
2022/12/13

米国のサイバーセキュリティの強化に関する取り組み

FACT SHEET: Biden-Harris Administration Delivers on Strengthening America’s Cybersecurity

本文:

(2022年10月11日付、大統領府による標記発表の概要は以下のとおり)

バイデン政権は、米国のサイバー防御の向上に絶えず焦点を当て、我々の「デジタルドアをロック」し、国家のサイバーセキュリティを強化・保護する包括的な手法を構築するため、以下の行動を取ってきた。

◇重要インフラのサイバーセキュリティ改善
我が国の重要インフラの多くは、民間部門によって所有・運営されている。バイデン政権は、運輸、銀行、水、医療などの主要部門と連携し、関係者が重要システムに対するサイバー脅威を理解し、サイバーセキュリティの最低基準を満たすよう支援してきた。

◇新しいインフラがスマートで安全であることの確認
国のインフラを近代化し、強化するための投資である超党派インフラ法を通じて、新しいインフラがスマートで安全であることを確保するとともに、高速インターネットの整備によりデジタルデバイドを解消し、財政支援により州・地域のサイバーセキュリティ対策を推進する。

◇連邦政府のサイバーセキュリティ要件強化、購買力強化によるセキュリティ水準の向上
多要素認証などインパクトのあるサイバーセキュリティ対策を義務付け、連邦政府のサイバーセキュリティ目標を満たすための予算策定を指示することで、連邦政府のサイバーセキュリティ要件を強化し、また連邦政府が調達するすべてのソフトウェアにセキュリティ機能を義務付けるなど、政府の調達力強化によって連邦政府システムの水準を引き上げた。

◇ランサムウェア攻撃への対処
2021年に創設した「国際ランサムウェア対策イニシアチブ(CRI)」に、組織の強靭性を高め、犯罪行為者とそのインフラを破壊してきた実績のある国際パートナーを招き、ランサムウェアの被害への対処強化を通じて、国民を被害から守っている。

◇より安全なサイバースペースの実現
CRIの創設に加えて、幅広い同盟国や友好国とのサイバー対話により、NATOのヴァーチャル迅速対応システムの設置等、集団的サイバーセキュリティの構築、協調的対応体制の組織化、サイバー抑止力の開発を進めてきた。

◇サイバー攻撃者への制裁強化
バイデン政権は、悪意のあるサイバー行為者の行動が米国やパートナーの利益を脅かす場合、強力に対応することをためらわない。 2021年4月、SolarWindsが攻撃を受けた際、ロシアの情報機関に所属するサイバー行為者に制裁を課した。また、同盟国やパートナーと協力し、ロシアのウクライナ戦争開始時のViasatシステムへの破壊的なハッキング元を特定した。

◇国際的に認められたサイバー規範の実装
国際的に交渉された規範が確実に実施され、サイバー空間における「交通規則」が確立されるよう尽力してきた。最近では、イランがアルバニア政府に対して行った反規範的攻撃を指摘し、制裁を課した。

◇IoTデバイスの安全性を示す共通ラベルの発行
今月、企業・団体・政府のパートナーを集め、ハッキングやその他のサイバー脆弱性から保護するための政府基準を満たした機器に、共通のラベルを貼付することで、ユーザーが安全なデバイスを認識できるようにする議論を行う。

◇国のサイバー人材育成とサイバー教育の強化
政府およびサイバーコミュニティーのリーダーを集めて、「国家サイバー労働力・教育サミット」を開催し、120日間のサイバーセキュリティ実習制度スプリントを発表した。引き続き、すべての関係機関と協力して、国のサイバー人材の育成、高収入サイバー職への就業改善、デジタル化が進む社会で必要なスキル教育、サイバー分野での多様性、公平性、包摂性およびアクセス性 (DEIA) の改善などに取り組んでいく。

◇量子抵抗性暗号の開発による情報漏洩防止、
悪意ある行為者からデータを守るために、誰もが暗号化に依存しているが、量子技術の発展によって、暗号の安全性が脅かされている。国立標準技術研究所はこの夏、2年後に策定するポスト量子暗号標準の一部となる4つの新しい暗号化アルゴリズムを発表した。これらによって、オンライン商取引から国家機密に至るまで、あらゆる情報を守る。

◇量子技術における米国の優位性確保
「国家量子イニシアチブ」と、「脆弱な暗号システムに対するリスクを軽減しながら量子コンピューティングにおける米国のリーダーシップを強化することに関する国家安全保障覚書10号」(NSM-10)の発出を通じて、量子技術に関する研究開発投資を2倍に増強し、研究センターや人材育成プログラムを創設した。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]