[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
国務省(DOS)
元記事公開日:
2022/10/21
抄訳記事公開日:
2022/12/16

量子情報科学技術における協力に関する米国とスイスの共同声明

Joint Statement of the United States of America and Switzerland on Cooperation in Quantum Information Science and Technology

本文:

(2022年10月2日付、国務省(DOS)による標記発表の概要は以下のとおり)

米国とスイスの両政府は10月19日、ワシントンD.C.のスイス大使館で会合を開き、以下の声明を発表した。

両国は、以下のことを認識する:

▽科学、技術、イノベーションは、エネルギー、健康、通信、輸送など様々な分野で革新をもたらしてきたこと、そしてその基盤となっているのは、グローバルな研究活動であり、そこから絶えず生みだされる新たな知識、理解、識見であること
▽量子情報科学技術(QIST)が、量子の基本的な現象の理解、強力なコンピュータ、安全で迅速な通信、および前例のない精度・正確さ・様式を持つセンサーの開発の両方に革命をもたらすこと
▽そのような強力な技術を出現させるには、QISTの理論的・実践的な理解の拡大と、特性評価・確認・検証の新たなツールの開発に、多大なる努力が必要であること
▽両国の専門知識、創意工夫、創造性および更なる識見を結集し、QISTの基本的な理解を深め、人類の利益に資する革新的技術の実現を加速するために、国際パートナーシップが鍵であること

両国は、以下の方法により、このアジェンダを推進する:

▽公開性、透明性、公平性、公正な競争、探求の自由、民主的価値観などの共通の原則に裏付けられた誠実な協力に着手し、知的財産の保護と執行、研究の厳密性と誠実性をさらに促進する。
▽誰もが完全に参加し、成功する機会が平等に得られるよう、包括的な科学研究コミュニティを作り、公平性、多様性、包摂性、アクセス性といった分野横断的な共通課題に取組む。
▽QISTの研究開発における協力的な取り組みを促進するため、二国間及び多国間の協力枠組みを活用する。また適切な場合には、その他の新たな手法も追求する。
▽広範で包括的な量子エコシステムと研究環境の整備によって、学際的な研究を促進し、自発的かつ相互に合意した条件で、研究手法、インフラ、データをそれぞれの国内法に沿って共有できるようにする。
▽共有関与原則に基づいて将来のQIST市場を成長させるため、多様なステークホルダーを巻き込み、QISTの研究開発のための信頼できる市場とサプライチェーンを構築し、経済成長を支援する。
▽人材交流を含め、この分野の拡大に必要な次世代の科学者・技術者の教育・育成を支援する。
▽国際的に重要なQIST関連事項や両国の政策課題を議論するため、定期的な多国間協議を活用する。
▽科学的卓越性と相互の利益に基づく共同研究を通じて、両国の経済的・社会的価値を創出する。
▽両国が合意できる、その他の活動を模索する。

両国は、本声明により行われる協力が、2009年4月1日にワシントンで署名されたアメリカ合衆国政府とスイス連邦科学技術協力理事会との間の協定に基づくこと、および科学技術協定と関連協定の条件がこの協力を支配することを確認する。 両国は、活気に満ちた信頼できる量子エコシステムという共通のビジョンを推進するために、上述のQISTに関する協力を推し進めるものである。

【参考】2022年12月15日付公開記事

米国とスイスが量子に関する協力強化のための共同声明を発表

[DW編集局]