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- 国・地域名:
- EU
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 欧州委員会(EC)
- 元記事公開日:
- 2022/11/14
- 抄訳記事公開日:
- 2022/12/16
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2023年のEU予算に関する合意
- 本文:
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(2022年11月14日付、欧州委員会の標記発表の概要は以下のとおり)
本日、欧州議会とEU理事会は、欧州委員会からの提案に基づいて、2023 年のEU予算に関する合意に達した。この合意は、1,866億ユーロのコミットメント(当該年に契約で合意できる金額)と1,687億ユーロの支払いに関するものである。予算案が採択されれば、EUはロシアのウクライナに対する侵略戦争の深刻な影響を緩和するべく、ウクライナだけでなく南部の近隣諸国や加盟国でも、EU が多額の資金を動員できるようになる。また、新型コロナウイルスのパンデミックからの進行中の持続可能な復興を支援し、雇用を保護・創出することにもなる。それは、近隣諸国や世界中で最も脆弱な人々を保護しながら、より環境に優しく、よりデジタルで、より回復力のある欧州へのさらなる投資の引き金となる。
このほど合意された予算は、EU加盟国と世界中のEUのパートナーの最も重要なニーズに沿って、最大の効果を発揮できる場に資金を振り向けるものである。
より具体的には、次のような事項に充てることが合意されている。
・近隣諸国と国際的な開発・協力の支援に147億ドル
この合意には、ウクライナとモルドバ、南部近隣地域での移民に焦点を当てた「近隣・開発・国際協力手段(NDICI)-グローバル欧州」(123億ユーロ)のほか、世界中の危機的状況に対処するための「人道援助(Humanitarian Aid)」プログラム(18億ユーロ)に的を絞った増額が含まれる。
・庇護・移住・統合基金(AMIF)に15億ユーロ、統合国境管理基金(IBMF)に9億5,680万ユーロ
ウクライナからの難民を受け入れる加盟国への支援を含む、対外国境管理ならびに移民・亡命政策に関する協力を強化する。
・国境を越えた接続を促進するべく最新の高性能輸送インフラを構築する「コネクティング・ヨーロッパ・ファシリティ(CEF)」に30億ユーロ
200億ユーロの「リパワーEU(REPowerEU)」提案を補完して、EU・ウクライナ連帯輸送路とエネルギー危機対応のエネルギー確保路の強化に特に重点を置く
・民間および軍の機動性を向上させるべく、軍事的機動性に2億9,520万ユーロ
・ウクライナから逃れてきた学生・生徒を含む若者に投資するべくErasmus+に37億ユーロ、および「クリエイティブ・ヨーロッパ(Creative Europe)」プログラムを通じた文化的・創造的セクターに3億3,280万ユーロ
・経済的、社会的、領土的結束への投資を促進することにより、進行中の復興を支援する取り組みに629億ユーロ
・「共通農業政策(CAP)」に536億ユーロ、「欧州海事・水産・養殖基金(EMFAF)」に11億ユーロ
欧州の農業者・漁業者向けだけでなく、農業食品・漁業部門の回復力を強化し、危機管理に必要な枠を提供する。
・保健、デジタル、産業、宇宙、気候、エネルギー、モビリティなどの領域におけるEUの研究を支援するべく、Horizon Europeに124億ユーロ
・EU全体の中小企業を支援する「単一市場プログラム(SAP)」に6億280万ユーロ
・EU4Healthプログラムに7億3,930万ユーロ
欧州保健連合を支援し、欧州市民の健康ニーズに包括的な対応を提供する。
・気候中立性への移行が確実にすべての人に機能するようにするために「公正な移行基金(JTF)」の下で15億ユーロ、および「LIFE」プログラムの下で環境・気候施策を支援するべく7億5,550万ユーロ
・「域内安全保障基金(ISF)」に3億 990 万ユーロ、欧州の戦略的自律性と安全保障を支援する「欧州防衛基金(EDF)」に9億4,570万ユーロ、共通調達法による欧州防衛産業強化に1億 5,700 万ユーロ [DW編集局]