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- 国・地域名:
- 米国
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 全米科学・工学・医学アカデミー(NASEM)
- 元記事公開日:
- 2022/10/24
- 抄訳記事公開日:
- 2022/12/19
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ウクライナの科学振興と研究者支援のための国際グループの設立
- 本文:
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(2022年10月24日付、全米科学・工学・医学アカデミー(NASEM)による標記発表の概要は以下のとおり)
ブレイクスルー賞財団(Breakthrough Prize Foundation)からの300万ドルの寄付により、ウクライナの科学者と研究コミュニティを支援し、ウクライナの科学技術イノベーションシステムを再構築することを目的とした、世界の科学研究機関によるハイレベルな国際調整グループ、ウクライナ科学・イノベーション・研究調整グループ(The Ukrainian Science, Innovation, and Research Coordinating Group)が設立された。
本グループは、米国科学アカデミー(NAS)とポーランド科学アカデミーが事務局を務め、当初はウクライナ国立科学アカデミー、全欧州アカデミー、ドイツ科学アカデミー・レオポルディーナ、オーストラリア科学アカデミー、フランス科学アカデミー、デンマーク王立科学文学アカデミー、英国王立協会などの代表者により構成される予定である。
財団は、今年初めにNASの「Scientists and Engineers in Exile or Displaced(SEED)イニシアチブ」に対して100万ドルの寄付を行ったが、今回の支援も、ウクライナの科学者やエンジニアが、現在の騒乱の中でも雇用と世界の科学界とのつながりを維持し、生活と尊厳を維持できるよう支援してきたことに続くものである。
ウクライナでの戦争が続く中、何百人もの研究者を含む何百万人ものウクライナ人が国外への脱出を余儀なくされ、多くの重要な科学インフラが損傷を受け、破壊されている。同国内の科学研究機関はまだ機能してはいるが、一部の研究者はウクライナ軍に加わり、残った研究者も戦時中の資金削減により経済的支援を失っている。また、ポーランドの研究機関に一時的に滞在している200人以上の研究者を含め、ウクライナを離れた研究者も、研究を継続するための場や経済的支援を必要としている。
このため本グループは、ウクライナの研究者を支援し、知見やベストプラクティスを共有するとともに、協力すべき分野や、重複する分野を明らかにするための場を提供する予定である。グループはまず、6月初旬にワルシャワで開催された会議で策定されたアクションプランを具体的に進展させることに重点を置いて活動する。
[DW編集局]