[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
大統領府
元記事公開日:
2022/10/27
抄訳記事公開日:
2022/12/21

第10回国家AI研究リソース(NAIRR) タスクフォース会議の報告

Readout of the Tenth Meeting of the National Artificial Intelligence Research Resource (NAIRR) Task Force

本文:

(2022年10月27日付、大統領府科学技術政策局(OSTP)による標記発表の概要は以下のとおり)

10月21日、国家AI研究リソース(National Artificial Intelligence Research Resource:NAIRR)タスクフォースは、第10回の公開会議をバーチャルで開催した。2022年12月に大統領と議会に最終報告書を提出する前の最後から2番目となるこの会議では、NAIRRの立ち上げスケジュール、セキュリティ要件、データリソース、運営母体に関する実施計画に焦点が当てられた。

大統領府科学技術政策局(OSTP)と国立科学財団(NSF)が共同議長を務めるタスクフォースは、2021年6月から、人工知能(AI)の研究開発を促進するリソースやツールへのアクセスを民主化する国家サイバーインフラであるNAIRRのビジョンと実施計画の策定に取り組んでいる。アクセスの拡大によって、AIに携わる研究者の範囲を広げ、AIへのアプローチやAI利用を発展、多様化させ、AIによる監査や、試験・評価、バイアス緩和、セキュリティなどの重要分野を含む、学問領域の至るところでAI研究開発を推進することを目的としている。

最初のテーマは、NAIRRを段階的に確立していくためのスケジュール であった。タスクフォースは、完全版のNAIRRがオンラインに提供されるまでの間に、既存のリソース、ソフトウェアスタック、およびサービスプロバイダを活用して、AI研究開発コミュニティが限られた規模ながらリソースを早期に利用できるようなパイロット版の立ち上げをスケジュールに組み込むことについて議論した。タスクフォースはパイロット版立ち上げの重要性について合意し、パイロット版をAI研究開発コミュニティに対して効果的に機能させるためにはユーザー対応のスタッフへのサポートを優先すべきことを強調した。

タスクフォースはまた、NAIRRが提供する機密データのセキュリティフレームワークに関するコンセプトを再検討し、階層的なアクセスモデルか、または完全にオープンなNAIRRに別個のセキュリティレイヤーを組み合わせた構成か、いずれを採用するかを検討した。タスクフォースのメンバーは、アイデンティティ管理とコンプライアンス監査を含み、かつ外部リソースや各NAIRRリソースとの間で安全なデータ転送ができるアプローチを採用することの重要性についても議論した。

データ共有のためのインセンティブと検索・発見のためのメカニズムを開発する上でNAIRRに求められる役割を明確にするために、NAIRRを通じてデータリポジトリ同士を接続するアプローチが提案された。タスクフォースは、データ完全性 の問題と、NAIRRに含まれるデータの価値と影響の両方を評価する方法についても議論した。

最後にタスクフォースは、NAIRRの運営管理の実際と、真に国家的なリソース となるという目標との間のバランスをとるために、NAIRRのガバナンス構造の設計について議論した。タスクフォースは、省庁レベルのNAIRR運営母体に、戦略的方向付けと監督を行う省庁横断の運営委員会を組み合わせるという考え方について議論した。また使命の適正な共有、プログラムを効果的に管理する能力、多様性と公平性への配慮などが理想的なNAIRR運営母体の重要な特性であることを強調した。

会議は、議論されたパイロット版のアプローチの詳細や、NAIRRユーザーポータルの開発における中小企業や新興企業の役割、ベンダーに依存しないプラットフォームへの優先順位付けに関する、一般参加者からの質問とコメントで幕が閉じられた。

次回は、2022年12月7日に開催される予定である。

[DW編集局]